未病ケアで健やかに

会員誌『カラフル』にて連載のコラム。
健やかな日々のために知っておきたい知識を、
「未病学」の権威、福生吉裕先生が教えてくれます。

2019.01.08

笑う門には未病あり

  •  少し意味不明のタイトルになりましたが、けっこう意味深長な言葉なのです。全国で6.7万人以上といわれる100歳長寿者を対象とした研究発表のなかに、何が長寿の秘訣かという報告があります。実はこの手の研究は多く、本当か?というと、はなはだ不明なところもありますが、今回の報告については、“一考の余地”があると思いますので、ご紹介したいと思います。それは慶應義塾大学医学部の研究グループによる「血液中のCRPという物質が少ない人のほうが、長生きしている」という報告です。

    ごっくん不全
  • CRPとは?

     CRPとは、C-リアクティブプロテイン(C反応性蛋白)の略称で、風邪がこじれた時やお腹が痛い時に体内で起きている炎症のマーカーです。意外と身近なクリニックでも測定できる検査で、お医者さんはこれを測って感染症の重症さを推測し、今後の見通しや治療方法を検討します。
     ところが、一般クリニックで測定できるCRPより、1000倍感度のいい高感度CRP測定法が開発され、これで痛くもかゆくもない状態での高齢者のCRPを調べました。すると、老化しやすい身体と、しにくい身体でCRPに差が出てきたのです。とくに100歳を超えてお元気な方は、この高感度CRPが低かったのです。どういうことかというと、実は身体が老化していくことの大きな原因は微妙な炎症の積み重ねで、これが「身体の劣化」の速度を決めるというのです。
     長生きの方は、清潔で、身体を痛める異物は少なく、身体の中で異常な免疫反応が起こっていないという状態を保っているということがわかってきたのです。
     この身体の劣化を進める物質として、細菌による持続感染(歯周病など)、慢性の傷はもちろん、タバコ、紫外線、ウイルス、トランス脂肪酸、カビ、(食品)添加物などの外部物質に加え、生活環境による高血糖、高血圧、悪玉コレステロール、終末糖化産物(AGEs)、強いアルコール、ストレスの時に出るアドレナリン、フリーラジカルなども劣化(老化)促進要因となるのです。

  • NK細胞を元気にするコツ

     身体はよくできたもので、この高感度CRPを早期に緩和してくれるモノがあります。抗酸化物質といわれるものです(詳しくは次の機会にお話しします)。そのほかに免疫を司るナチュラルキラー細胞(NK細胞)があり、これがしっかりしていれば、早期に無駄な免疫反応を潰してくれます。
     では、自分でこのNK細胞を元気にさせることはできないでしょうか。実は、活性化させる次の方法が知られています。

    ❶ 笑う。
    ❷ お風呂で身体を温める。
    ❸ トランス脂肪酸を多く摂らない。
    ❹ ウォーキング、とくに緑の地を歩く(森林浴)。
    ❺ よい睡眠、休息。

     落語を聞いた前後に、このNK細胞を測定する実験では、笑うだけでその活性が上昇し、さらに声を出して笑う動作をまねるだけでも、同様に上昇することが、未病医学的にもわかってきました。ちなみに、この時の落語を演じたのは林家木久藏(現木久扇)さんです。名人かそうでないかで多少影響すると私は思っていますが、それはさておき。
     “お風呂につかりながら笑う”というのが相乗効果があり、私のおすすめ版です。
     ちりも積もれば山となります。心を穏やかにしてお風呂につかり「いい湯だな♪」で笑ってください。 
     未病息災です。

福生吉裕(ふくお・よしひろ)

日本未病システム学会理事長。(一財)博慈会老人病研究所所長。
少子高齢社会における未病ケアシステムの構築を提唱している。専門は「高脂血症」「動脈硬化」「認知症」。
現在は『未病と抗老化』(博慈会老人病研究所)編集長。
著書に『見た目で病気が分かる』、共著に『セルフ・メディカ』『未病息災』など多数。

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