2025.07.15
年金機構から届く書類~振込通知書
皆さま、こんにちは。社会保険労務士の尾田佳子です。
今年も、夏がやって来ましたね。
関西は、夏になる前から「アツイ」です。そう、「大阪・関西万博」!
開幕以来、連日、多くの方が訪れている様子を、ニュース等でも目にしますね。
そして、万博会場周辺でなくても、街中の至るところで、公式キャラクター“ミャクミャク様”を拝見します。
老若男女問わず、いろんな方が、“ミャクミャク様”を身に着けていて、盛り上がっていることが分かります。
聞いていると、自分なりの「大阪・関西万博」を楽しんでおられるようです。
各国が、自国のメッセージを伝える、またとない機会ですし、私もじっくりと受け取っていきたいなと思います。
受け取った後に、その想いに気付いたり、疑問が芽生えることもありますよね。
その「ちょっとしたこと」を大切にしていくこともまた、万博ならではなのかも知れません。
そして、こちらの食堂でも、頼れる公美(くーちゃん)が、自分の中に発生した疑問点を調べていたようですよ。
幼なじみの礎一郎(そーくん)と厚二郎(こーくん)との会話を、ちょっと覗いてみましょう。
厚二郎 | くーちゃん、この間は年金証書の話、ありがとね~。先輩からも、ありがとうございますって。 |
公美 | お役に立てて、何よりよ。で、あれから、その後はどうなるんだろう?と気になってね。 |
礎一郎 | その後? |
公美 | うん。年金証書は届いた。年金もらえるのは確定した・・・で、いつもらえるの?って。 |
厚二郎 | あ、ほんまやな。先輩は何も言うてへんから、気にしてへんかったわ。 |
礎一郎 | 何も言うてへんってことは、すぐもらったんやろうなぁ。 |
公美 | ね。私もそう思ったんよ。振り込むだけやしって。 |
礎一郎 | ってことは、ちゃうかったん? |
公美 | そうなんよ!調べてみたら、何と年金証書が届いてから、1~2ヶ月後やねん!? |
厚二郎 | えっ?!そんなかかんの? |
振込通知書
公美 | まぁ、私も、そんなすぐにはもらえないだろうとは思っててんよ。何せ全国規模やし、振込日も決まってるし。 |
礎一郎 | そんな時間かかるとは思わへんかったわ。 |
公美 | 私もビックリ。ただ、振込日を基準に、いろいろ確認したりすることもあるみたいで。 |
厚二郎 | 例えば? |
公美 | 厚生年金に加入中の人は、お給料やボーナスとの調整も確認しなきゃいけないし、雇用保険に加入している人は、雇用保険の給付についても確認しないといけないし・・・ |
礎一郎 | 言われてみれば、確認事項は多いやろな。 |
公美 | 変な話やけど、年金を受け取る人が、生存しているかどうかの確認も必要だしね。 |
厚二郎 | 生存確認! |
公美 | いろいろ確認出来たら、振り込まれる月の10日頃を目途に、日にちや振込額等が記載された“振込通知書”が届くらしい。 |
礎一郎 | それが届くまでは、まだ振り込まれへんってことか~。 |
公美 | 何らかの事情で、処理が遅れたとか、提出した書類に不備等があった場合も、処理が止まってしまうから、もっとかかる人もいるみたい。 |
年金の振込日
厚二郎 | くーちゃんさっき、年金の振込日は決まってるって言ってたけど? |
公美 | うん。原則、偶数月の15日って決まってる。だから、15日は忙しいって、銀行員の友達が言ってた。 |
礎一郎 | 偶数月ってことは、2ヶ月分ずつ? |
公美 | そう。2ヶ月分ずつで、後払いね。15日が、土日祝日の場合は、その前の日になるよ。 |
厚二郎 | そしたらもし、処理が遅れて振込日に間に合わなかったら、更に2ヶ月待たなアカンの? |
公美 | そこは考慮されてて、本来振り込まれる時期に間に合わなかった場合、初回に限っては奇数月の15日に振り込まれることもあるらしい。絶対、偶数月!って訳でもないみたい。 |
厚二郎 | 奇数月でも振り込まれることもあるんか~。 |
公美 | やっぱり年金って、老後生活の柱となるものだから、いろいろ考慮はされてるんだろうな、と思ったよ。! |
礎一郎 | 年金から、保険料とか払わなあかん人もいるやろうしなぁ。 |
公美 | あ、それね。年金から引かれるものもあるみたい。 |
礎一郎 | 振り込まれる時点で、年金が少なくなってるってこと? |
公美 | うん。対象となるのは、所得税・住民税、介護保険料・健康保険料・・・かな。でも、皆が皆同じではなくて、人によって引かれるものは違ってくるらしいから、前もって確認した方がいいかもね。 |
厚二郎 | そっか~。生きている限り、税金や保険料は必要やしなぁ。 |
公美 | 国民の義務!やからね。 |
礎一郎 | 俺なんかは、納め忘れてへんかな・・・とか気にせんでえぇから、安心やけどな。 |
厚二郎 | えぇ~、僕は何か少なくなってたら、それだけでも落ち込むかも・・・。 |
公美 | 人それぞれやね。結局は同じことなんやけどね。 |
厚二郎 | ・・・・・確かに・・・。(まだちょっと納得していない。) |
!今回のポイント!
年金の請求手続きをした後、まず最初に年金証書が届きます。
これは、『あなたは年金を受け取る権利を取得しましたよ。』というお知らせでしたね。
受け取った方は、「そうかそうか。もらえるのか。」と思いますが、当然ながら、「・・・で、いつからもらえるの?」となりますよね。
年金相談の窓口では、受付書類の確認が一通り終わった後、今後の流れも含めてご案内するのですが、振込までに手続き後2~3ヶ月を要することに驚かれます。
振込の予定が確定したら、「振込通知書」が届きます。
この振込通知書は、年金を受給している間、ずっと届きます。
振込日の都度届くものではありませんが、年度初めの年金が支給される6月には必ず届きますし、受取の金融機関を変更した時や、年金から控除されるものの金額が変わった時にも届きます。
その時点で予定される年度内の振込額が記載されています。
なので、同じ年度内に複数の振込通知書が届いた時は、常に一番新しいもので確認するようにしてくださいね。
!言葉のおさらい!
年金証書
年金の請求手続きをし、年金を受け取る権利があることを確認した時に送られてくる証書。
振込通知書
年金の振込日にあわせて送られてくる通知書。
年度初めの6月、受取金融機関を変更した時、年金から控除されるものに変動があった時等に届く。
2ヶ月分の年金額と、年金から控除される税金や保険料、実際に振り込まれる額が記載される。
生存確認
年金を受け取る権利は、譲り渡したりすることは出来ず、必ず本人に支払うこととなっており、振込日に生存していることが要件となっている。
現在は、基礎年金番号とマイナンバーの紐付けが進められており、原則、この情報を基に生存を確認することとなっている。