税金・保険コラム

2007.07.12

生命保険の基礎知識(2)保険制度の根本は助け合いの精神です

さて、保険制度の根本は相互扶助、助け合いの精神です。大勢の契約者が保険者に保険料を払い込んで貯めておき、あらかじめ決めた期間中にあらかじめ決めてある損害の発生した順に受け取っていきます。

肉体的条件や暮らしている環境などひとりひとり条件が異なるのにこの助け合い(保険制度)が成り立つ(はじめの方に損害を被った人たちだけでなく、最後に損害を被った人が受け取るまでお金が残っている)のは、大数の法則という保険制度の根幹をなす前提があるからです。

コイン投げをして表の出る確率と裏の出る確率が各々50%だということは皆さんご存じでしょう。 しかしこの確率はあくまでも数学的(理論上の)確率です。現実にコインを2回投げ上げても表と裏が1回ずつ出るわけではないことは経験していらっしゃるでしょう。でも2000回、3000回と繰り返していくとだんだん表と裏の出現率は1対1に近づいていきます。 これを「大数の法則」と呼びます。

参加者を大勢集めれば集めるほど各参加者の個々の条件がならされます。大数の法則が働きやすくなり、保険事故(保険金支払い事由)の発生率は一定の範囲に収まってくるのです。 保険料は純保険料と付加保険料との二つに分けられます。

【表4】保険料の構成(1)

保険料
純保険料 保険金を支払うための財源
付加保険料 保険者が制度を維持するための費用

しかし、一般に生命保険では保険事故の発生しやすい人ははじめから仲間に入れなかったり(年齢制限など)、保険料を他の人より高くしたり(高血圧などのような健康状態)、保険金額を制限したり(スピードレーサーなど危険度の高い仕事をしている場合など)します。保険料はどうやって決まるのでしょうか。

蛇足ながら、映画『レインマン』でダスティ・ホフマン演じる青年はカジノで驚異的な記憶力を発揮して場に出たカードを暗記し、確率計算を行いました。彼がやったブラックジャックというカードゲームならば、狙っているカードがそろそろ出てくるはずだという推理もありえますが、ルーレットでは一回ごとにご破算になるので前回の出目と次の出目とは無関係でお互いに影響をもたらしません。

このことはコイン投げ実験なら理解できても、ギャンブルになると忘れてしまいがちです。切望と欲望と征服欲とが混じり合い、ここまでずっと表だったから、そろそろ裏が出てもいいはずだ、いや出てくるはずだなどという妄想にとらわれて止められなくなってしまうのです。筆者はパソコン付属のゲーム、ソリテアでムダに夜更かししてしまいました。

社会保険労務士
小野 路子
さいたま総合研究所人事研究会 所属
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