税金・保険コラム

2011.02.02

雇用保険の基礎知識 雇用保険に入れる人は?

皆さん、こんにちは。
雇用保険、昔は、失業保険という名称でした。その名の通り、職を失って収入がなくなってしまったとき等、その人やその家族が生活に困らないよう、働いている間に保険料を給与天引きで支払い、いざ失業・退職したときに、次の会社が決まるまでの生活保障をすることを一番の目的とした国の制度です。

また、雇用保険には、育児休業中で会社から給与が支給されない期間や60歳以上65歳未満で給与が減額されたときの補填、仕事に関わるスキルアップのため、個人的に教育訓練を受ける際の補助など、安定した職業生活を補完するための給付制度もあります。

社員として会社に採用されると、普通は雇用保険に入ることになるのですが、パートタイマーやアルバイトといった勤務形態で採用される場合は、働く時間数などにより、雇用保険に入れる人と入れない人が出てきます。その他にも、どんな人だと入れて、どんな人は対象外なのか、今回は、雇用保険に入れる対象者(平成22年4月改正)をみていきます。

雇用保険に入れない人

働けなくなってもあまり生活に困ることにならない人は、雇用保険の加入対象から外れます。

  1. 昼間学生(学校に行くことが本業でアルバイトは副業のため。通信教育、夜学に通っている人で本業が仕事の人は、下記"雇用保険に入れる人"に該当すれば加入対象です)
  2. 65歳以上で新たに雇用される人(年金をもらえる年齢なので失業しても収入がある)
  3. 冬場の出稼ぎ等4か月以内の季節的事業に雇用される人(これが本業ではないから)
  4. パート等で週20時間未満しか働かない人

その他、会社(事業主)と雇用関係にない以下の人は入れません。

  1. 代表取締役(社長は労働者ではない)
  2. 取締役で役員報酬のみ支給されている人、または賃金より役員報酬が多い人
  3. 社長の奥さん
  4. 社長と同居している親族で他の従業員と就労実態等の扱いが違う人
  5. 個人事業主
  6. 業務請負契約、委任契約の人

雇用保険に入れる人

その会社が雇用保険に加入していること(雇用保険適用事業所である)が前提です。一人でも労働者を雇っている事業所は個人、法人問わず雇用保険に加入することになるのですが、会社を立ち上げたばかりなど労働者がいない場合は、加入していないこともあります。入社するときに確認しましょう。

  1. 正社員(雇用期間の定めがない)
  2. 契約社員で雇用契約期間が31日以上の人(31日未満の契約でも更新が見込まれ31日以上の雇用見込みがある場合は加入、また当初31日以上の雇用見込みがなくても、更新がされたとき等雇用見込みができたときはその時点から加入)
  3. パート、派遣社員で契約期間が31日以上の人(2の契約社員と同様)で、週20時間以上働く

おしまいに

大手や老舗の会社でも、いつ何が起こるかわからないことになっている昨今。いざとなったら助けてくれる雇用保険は、大変ありがたいものです。
どうせ働くなら、雇用保険にちゃんと入っているきちんとした企業を選択し、自分を守れる働き方をすることで周りの人に迷惑を掛けないようにすることも大切です。
でも、自分の権利ばかり主張する人は、嫌われますので要注意・・・。

社会保険労務士
木村 晃子
さいたま総合研究所人事研究会 所属
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