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税金・保険コラム

2022.08.23

死亡保険金にかかる税金

気象病ということばをご存じでしょうか? 筆者はつい最近知りました。気候や天気の変化が原因でおこる体の不調を総称して気象病と呼ぶようです。気温や湿度だけでなく気圧も原因になるそうです。

そう言えば、筆者の知人にも、頭痛で天候の悪化を予想できる人がいました。ほかにも、古傷が痛むという人もいましたが、寒い冬だけではなく梅雨時も痛むと言っていました。こういうことは昔から経験的に語られていました。

地球温暖化の影響なのか、近年異常気象が頻繁に起こるにつれて、めまいや吐き気、気分の落ち込みを感じる人が増えたので、名前がついたのではないでしょうか。

ここ数年、極端な気温の乱高下の中で翻弄されている気がします。四季の移り変わりという情緒的なとらえ方ではもう間に合わなくて、数値の変化として現実的にとらえなければならないのかもしれません。

数値と言えば、生命保険には、契約するときによく考えなければならない数値があります。真っ先に考えつくのが必要な死亡保険金の金額、そして支払える保険料の金額だと思います。しかし忘れてはならないのは、将来死亡保険金が支払われた時、誰がどのような種類の税金を負担するのかということです。(課税対象の部分が、実際に税金の納付が必要な金額に達するかどうかは別にして)

死亡保険金にかかる税金には、大きく分けて3種類あります。それは所得税、相続税、贈与税です。各税は計算の方法がみな違いますので、結果的に算出される納税額も違ってきます。

どれが関わってくるかは、生命保険契約に登場する三者の関係によります。三者というのは家族などの人間関係ではなく、被保険者、契約者(保険料の負担者)、保険金受取人のことです。

  被保険者 保険料の負担者 保険金受取人 税金の種類
所得税
相続税
贈与税

1 保険料の負担者(B)が死亡保険金を自分(B)で受け取る場合、かかる税金は所得税になります。

例えば、共働き夫婦それぞれがお互いを被保険者とし、各自が保険料を負担して受取人になるような場合です。

死亡保険金は一時金で受け取る場合と数年にわたって分割で受け取る(年金で受け取る)場合がありますが、それによって税金の種類が分かれます。

(1)死亡保険金を一時金で受け取った場合

死亡保険金を一時金で受け取った場合は、一時所得となります。課税対象の部分は以下のように計算されます。(死亡保険金以外に他の一時所得がないとした場合)

  • ① 一時所得の金額=受け取った死亡保険金の総額-既に払い込んだ保険料または掛け金の額-特別控除額50万円
  • ② 課税対象になる金額=上記で計算された金額×1/2

(2)死亡保険金を年金で受け取った場合

死亡保険金を年金で受け取った場合は、公的年金等以外の雑所得となります。課税対象の部分は受け取った金額まるごとではなく、以下の計算によります。

雑所得の金額=その年中に受け取った年金の額-その金額に対応する払込保険料または掛け金の額

(年金で受け取るときは、原則として所得税が源泉徴収されます。)

2 保険料の負担者(A)が自分自身(A)を被保険者とした場合は、かかる税金は相続税になります。

このとき、受取人(B)が被保険者(A)の相続人(家族のうち誰が相続人に当たるのかは民法で決まっています。法定相続人とも呼ばれます。)であるときは、相続により取得したものとみなされ、相続人以外の人が受取人であるときは遺贈により取得したものとみなされます。

どう違うかというと、死亡保険金にある非課税枠が使えるか使えないかです。死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」という非課税枠がありますので、相続財産として課税の対象になる死亡保険金の額は、この計算の残りとなります。法定相続人ではない人にはこの規定は適用されません。

死亡保険金を年金で受け取る場合は、毎年支払いを受ける年金(公的年金等以外の年金)にかかる所得税については、年金支給の最初の年は全額非課税ですが、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法により計算されます。

(年金で受け取るときは、原則として所得税が源泉徴収されます。)

3 被保険者(A)、保険料の負担者(B)、保険金の受取人(C)の三者がすべて異なる場合は、かかる税金は贈与税となります。

死亡保険金を年金で受け取る場合は、相続税が課税される場合と同様に、毎年支払いを受ける年金(公的年金等以外の年金)にかかる所得税については、支給初年は全額非課税で、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法により計算されます。

また、年金を受け取るときは、原則として所得税が源泉徴収されます。

以上、死亡保険金にかかる税金の種類についてご説明しました。

相続税について付け足します。相続税は、相続人一人一人がいくら納めることになるのかということが一番気になりますが、まず、亡くなった被相続人が残したもののうち、課税の対象になる金額が総額としていくらになるのかを考えます。残した財産すべてが課税の対象になるのではなく、上記の死亡保険金に対する非課税枠のように、基礎控除や不動産に関する規定等があるからです。

課税の対象になる金額がいくらなのかが確定してから、相続する人たちの人数や分配の方法等により、各人の納める相続税の額が決まります。

ここで、筆者が昔親戚に聞いた話をご披露します。その親戚の縁者(田舎の大家族で3世代同居のお祖父さんに当たる)が亡くなったときのこと、息子の奥さんに家作の一つを残したという話です。いまは死語でしょうか、文化住宅を土地付きで一軒まるごと上げたので、彼女はそれ以来大家さんなのだというのです。

親戚は、「きっと、とても良いお嫁さんだったのだろう。縁者が亡くなった後、そのお宅に行ったことがある。そっとアルミサッシのくぼみを指先で触ってみたのだが、チリ一つ付かなかったので驚いた。」と言っていました。
その相続は親戚には関係のないことなのに、嫁いびりをする姑とか小姑のようなことをしたことが筆者には驚きだったので、よく覚えています。

この話の「息子の奥さん」は、亡くなった方の法定相続人ではありません。たとえ介護や家業で大きな貢献があったとしても、自動的には遺産を相続することはできないのです。

また、上記の亡くなった縁者の場合は、生前公言していたとおりに遺産が分割されましたが、そうならなかった可能性もあります。故人が息子の妻だけに話し、息子やほかの遺族は知らなかったとか、文書として残さなかったとか、他の遺族が渡し渋った等々の場合です。

しかし、生命保険は生命保険会社という第三者が入りますので、記録はきちんと残りますし、他の遺族が介入する余地がありません。

生命保険にはこのような使い方もあるのです。

(ちなみに、すでに契約済みの生命保険でも、受取人を変更することができます。独身男性が母親を受取人にしていたが、結婚後妻に変えるとか、子どもが生まれたとき、こどもを受取人に追加するとかは良くあることです。)

社会保険労務士
小野 路子
さいたま総合研究所人事研究会 所属
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