税金・保険コラム

2021.07.20

コロナ禍における保険の特別措置(2)

今年は梅雨入りが早いと聞いていました。
「梅雨入りが早ければ梅雨明けも早いのでは?」という期待を込めた質問に、テレビの気象予報士は「そういうわけではなく、雨が降る期間が長くなるだけです。」とつれない返事をしたのが印象に残りました。
実際には、梅雨入りの前に真夏日がきて、なかなか雨は降らず、関東甲信越地方の梅雨入り宣言は去年より3日遅くなりました。
コロナ禍は3度目の緊急事態宣言が出される事態となり、まだ終息の気配は見えません。世界ではワクチン摂取率が高いのにもかかわらず、再度流行が始まった国々もあり、予断を許さない状況と理解するべきなのでしょう。

生命保険各社では、新型コロナウイルス感染症に対して、以下の特別取扱いを行っています。

1.保険料払い込み猶予期間の延長
  これは前回ご説明しました。

2.保険金等各種支払に関する措置

(1)入院給付金

入院について給付金が出るのは医療保険だけに限ったものではなく、生命保険でも入院特約をつけている方も多いことでしょう。

何日入院したら入院特約の対象になるのかは、契約によって様々です。昔は、5日間入院して6日目からでないと給付金が出ないというものがほとんどでした。近年は医療技術の進歩のおかげで、様々な診療科目で日帰り手術ということができるようになってきました。それに伴い、手術当日しか入院しなくても入院給付金がでるという保険もできてきたのです。
ところが、新型コロナウイルス感染症に関しては、従来なら入院していたはずの患者さんが、自宅待機をせざるを得ない状況になっています。患者数に対して空きベッド数が足りないせいです。
新型コロナウイルス感染症に限らず重症患者に人手がかかるのは当然ですが、新型コロナウイルスの場合、感染から身を守るために医療従事者が踏まなければならない手順が非常に多く、治療に余分な手間暇がかかる分、大勢を世話することができません。
また、他の病気の患者さんから物理的に離さなければならないので、使用できるベッド数が減り、たちまち受け入れ可能患者数の上限に達してしまいます。さらに問題なのは、治療・看護する人手不足により、ベッドはあっても患者を受け入れられないという事態が起きていることです。
そこで、このように医療機関の事情などで入院できず、自宅または宿泊施設などで治療を受ける場合も、入院給付金等の支払い対象として取り扱うことにしている保険会社があります。
ただし、宿泊療養および自宅療養とは、以下の①及び②に該当する場合です。医師に証明してもらいます。

①2020年4月2日付の厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」等に定められている宿泊療養または自宅療養であること。
②感染症法上、入院措置が必要であるにもかかわらず、医療機関の事情により宿泊療養または自宅療養していること。

また、手続きがスムーズに行われるように、生命保険協会による統一証明書様式が作成されました。(「宿泊・自宅療養証明書」(新型コロナウイルス感染症専用))

(2)通院給付金

生命保険に通院特約をつけている場合も多いと思いますが、新型コロナウイルスの感染を恐れて医療機関へ通院することができない場合もあります。

今回のコロナ禍のなか、外出を避け、通院の代わりに自宅等で医師による電話診療またはオンライン診療を受けた場合、保険会社は通院給付金の支払い対象としています。
(新型コロナウイルスが問題になる前から、厚生労働省は、医師の偏在の修正や医師の働き方改革といった観点からオンライン診療の普及を推進するための指針を発表していました。)
以上挙げた特別取扱いは、生命保険各社によって違いがありますし、期間を限定している場合もあります。ご自身の保険会社に問い合わせされてみてください。

新型コロナウイルス感染症にかかって回復した後も、嗅覚や味覚に障害が残っている人々がいます。現在は新型コロナウイルス感染症の後遺症の一つとして語られていますが、去年、最初にこの訴えが報道で取り上げられた時は、本当に新型コロナウイルス感染症の後遺症なのかはまだ分からないという扱いだったことを覚えています。事例が集まってくると、常識は変わっていきます。

逆に、医学の専門家にとっては昔からの常識でも、一般には知られていなかったこともあります。ウイルスは、もともと変異していくものだということもその一つです。
鳥インフルエンザの流行の時にも、報道されていた気がしますが、今回、新型コロナウイルスの変異株について盛んに報道されることで、新たな常識になっていくのかもしれません。

ワクチン接種とその効果についても、世界中からデータが集まることで、心得ておかなければならない常識が変わっていくかもしれません。ワクチン接種が進んでも注目していきたいものです。

社会保険労務士
小野 路子
さいたま総合研究所人事研究会 所属
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