2026.01.20
生命保険でできる相続対策
冬の天気予報ではよく「真冬並みの寒さ」という言葉をよく耳にします。その寒さに備えるためにも、いったい「真冬」とはいつを指すのかが気になりますが、気象庁では厳密な定義は設けていないようです。1月が最も寒いのでしょうか?
筆者の身近では、筆者を含め体調を崩して寝込んでいる人がちらほらでてきました。皆さまもご用心ください。
■ さて、相続が発生した場合、被相続人が死亡時に所有していた現金・不動産などが相続財産となり、遺産分割の対象になります。でも、生命保険金は死亡時に被相続人が所有していた財産ではありません。では、生命保険金はどのような扱いになるのでしょうか?
生命保険金は「みなし相続財産」として、しっかり相続税の課税対象になります。ただし、受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません)である場合には、非課税枠(非課税限度額)が適用されます。(逆に、相続人以外の人が受け取った生命保険金には、非課税枠は適用されません。)
非課税限度額は、500万円×法定相続人の数という計算式で算出されます。
なお、この計算式では相続の放棄をした人も法定相続人の数に含まれます。そうでないと非課税枠が減ってしまい、ほかの相続人の負担が増えてしまうためです。
また、法定相続人の中に養子がいる場合は、実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人までしか含まれません。制限をかけないと大量の養子縁組による税逃れができてしまいます。
相続を放棄した人や相続権を失った人を除いたすべての相続人が受け取った保険金の合計額が、この非課税限度額を超えたとき、超えた部分が相続税の課税対象になります。
この非課税枠は相続税の基礎控除とは別枠で適用されます。
■ 法定相続人は、民法で定められています。配偶者は常に相続人となりますが、その他は血族(血のつながりのある人々)です。
血族には自分の子どもだけではなくさらにその子(孫)、両親、兄弟姉妹、祖父母がいます。
■ 相続には優先順位があります。
第1順位:子(実子、養子、認知された子)まだ生まれていない胎児も含みます。
・遺言書が無い場合:遺産分割は法定相続人同士で話し合って決めます(遺産分割協議)。大体のご家庭がこうではないでしょうか。
(遺言書は公正証書遺言、秘密証書遺言、自筆証書遺言とあり、最も手軽で費用もかからないのは自筆証書遺言です。しかし、「○月吉日」など日付が正確ではないなどの形式不備で無効となることもよくあるようです。紛失等のリスクもあります。)
・内縁の配偶者など:法律上の婚姻関係が無い人は法定相続人にはなれません。相続税の算出に影響がでます。
・相続放棄した場合:相続放棄をすると相続人ではなくなります。その人の子どもも代襲相続の権利を失います。
■ 生命保険金は、民法上の相続財産ではないので、遺言書の有無も法律上の婚姻関係の有無も関係ありません。受取人固有の財産であり、遺産分割の対象外です。
相続放棄しても、生命保険会社との契約で受取人に指定されていれば、保険金は受け取れます。ただし、法定相続人ではなくなるので相続税の非課税枠は適用されません。
■ なお、生命保険金は日本の保険会社だけではなく、外国の保険会社から受け取る保険金も相続税の課税対象となります。
■ 国税(相続税は国税です)は、延納という分割納付もあるものの、金銭で一括納付することが原則です。しかし、課税対象の遺産のほとんどが自宅など換金しにくい不動産であるという場合は、納税資金の確保が難しく大変に困ります。
そこに生命保険の活用の場があります。すなわち、生命保険金は遺族の生活保障という点に加え、相続税の納付資金の調達方法としても活用できるのです。
■ ところで、筆者の若い頃勤めていた会社では社内結婚率が高く、その分恋のさや当ても頻繁にあって、社内ではよくバチバチと火花が散っていました。親しくしていた同僚が恋に破れ、別の部署の女性が営業部の出世頭と結婚し、晴れて寿退社を果たしました。
じきに第一子を妊娠、順風満帆に見えましたが、好事魔多し。夫君に癌が見つかり、若かったこともあって進行も早く、結婚後一年も経たないうちに亡くなりました。
当時の社内にはよく生命保険の勧誘員が来ていました。彼女によると、独身男性は保険金の受取人を母親にしている人が多かったそうです。結婚と同時に受取人変更の手続をしなければだめよと言われましたが、彼女の場合はどうだったのか分かりません。
お子さんのいる読者の方には、ぜひ学んだ知識を受け継いでいただきたいと思っております。
