熊本県・山鹿温泉
歴史ある町のレトロな温泉

熊本県の北部に位置する山鹿は5~7世紀の古墳が数多くあり、昔ながらの町並みも残る歴史の深い街です。その山鹿、豊富な湯量を誇る温泉地でもあるのです。
温泉が発見されたのは12世紀中頃、平安時代といわれています。16世紀には宿場町として発展し、18世紀の「山鹿湯町絵図」にはその繁栄ぶりが描かれています。
そんな歴史に湯~ったり浸かれるのが、日帰りの温泉施設「さくら湯」。なんといっても始まりは参勤交代の際の休憩・宿泊所だったというのですから、驚きです。宮本武蔵も訪れたといわれます。
明治以降は市民温泉として親しまれてきた「さくら湯」。唐破風の玄関や重厚な梁や柱が目をひく、堂々たる木造建築。浴室に入れば、天井の高い吹き抜け空間がレトロな温泉場の雰囲気です。壁には昔の広告なども貼られ、タイムトリップした気分。常連さんがゆったりと湯に浸かる姿もなんだか池波正太郎の小説の一場面のようです。
泉質は単純アルカリ泉。湯に浸かってみると、トロリとした感触に感動! 美肌によいといわれていますが、まさに化粧水に浸かっているかのよう。思わず、目を閉じて湯に揺蕩います。湯上りも乾燥知らずで、お肌しっとり。ここにいつでも通える地元の人がうらやましい限りです。
なんとこのお湯、飲むこともできるそう。飲泉場は館の外にもあり、地元の人がペットボトルにお湯を汲みに来ています(なんと、無料!)。そして足湯もあります。街の散策も楽しいので、歩き回った足にうれしい。おもてなしの温泉地ともいえる山鹿です。
さくら湯
熊本県山鹿市山鹿1-1
☎0968-43-3326
営業時間 6:00~24:00
第3水曜休
大人350円
