年金コラム

2007.09.13

企業年金(1)

こんにちは、社会保険労務士の土屋です。本日も皆さんにとって大変関心の高い年金について、中でも今回は企業年金を中心にお話しさせていただきます。

一口に年金といってもいろんな年金制度があります。いわゆる公的年金といわれる制度が国民年金と厚生年金ですが、会社や業界団体等が独自に設立する制度、いわゆる企業年金という制度があります。代表的なものは厚生年金基金(以下基金という)ですが、この基金は、厚生年金保険の報酬比例部分を代行し、プラスアルファを付けて年金を支給することを条件に、国から設立が許された公的年金制度の上乗せの制度です。

この基金は、確定給付年金制度といわれる制度です。「確定給付」とは、将来皆さんが受けられる年金額があらかじめ確定している制度です。したがって、もし皆さんや事業主が支払った保険料の運用がうまくいかなければ、規約で約束した確定年金額を支払うための資産が不足することになります。そうした場合には、事業主がその不足分を補填しなければならないということになります。

基金制度は昭和41年に始まり、終身雇用を基本とする日本の企業の高度成長とともに、制度も成熟していきました。しかし、バブル崩壊、金融機関の破綻等により、企業の成長にかげりがみえ始めたころから資産運用が厳しくなり、確定した年金額を支払うことができないという状態におちいる基金が多くなりました。

そのため、基金は保険料を引き上げるか、基金の規約を変更して給付を引き下げなければ、制度を維持することができなくなりました。しかし、それにも限界があります。財政の厳しい基金は、代行返上や基金を解散し、制度を廃止しました。その為、2000にせまる勢いで設立された基金も現在は約600余りとなっています。

そうした状況の受け皿として登場した制度が、確定拠出年金制度です。いわゆる401Kという制度です。「確定拠出」とは支払う保険料が確定している制度です。ただ、将来皆さんが受けられる年金額は確定していません。資産の運用状況によって受けられる年金額は変動します。しかも、運用については、あくまで自己責任で運用方法を選択しなければなりません。運用がうまくいけば、年金額は増えますが、運用に失敗すれば、積み立てた保険料の元本を割るということもありえます。

次回は年金受給の際に注意する点をお話しいたします。

社会保険労務士
土屋 広和
さいたま総合研究所人事研究会 所属
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