年金コラム

2013.12.11

「年金WEB相談室」(3)年金の家族手当<加給年金額・振替加算額>

最近、ひとり旅に出る女性が増えています。ある海外ツアーでは、定員の40%がおひとり様での参加。しかも、おひとり様の内75%が女性でした。
団体旅行に参加するおひとり様は胸に愁いを秘めて一人静かに・・・・なんてことは、決してありません。実際のおひとり様達は、団体の中で素早く群れを作ります。バスの席とりでは緊密な連携を取りあい、お互いにカメラを交換しては写真を撮りまくり、食事の時には大いに飲み、食べ、百年の知己のようにおしゃべりを楽しみ、常に笑い声を絶やさず、積極的に自分自身を旅に投入し、何一つ思い残すことがない時間を作り上げてゆきます。
これは、女性ならではの楽しみ方のように思います。愛犬の世話という崇高な使命のもとに、夫を留守宅に留め、たった一人でも世界の果てまで乗り込んでゆく、女性たちのバイタリティー!これこそが、明るく、力強い高齢社会を築いてゆく推進力になると確信します。

◆年金の家族手当について教えてください。

【質問1】
先日同窓会があり、年金の話で盛り上がりました。
その時、友人が、「夫の年金に家族手当がついている」と話していましたが、私たちの年金にも家族手当がつきますか?
私の夫は大学を卒業後、ずっと会社員でした。来年61歳になり、年金を受給する予定です。私は夫より3歳年下で、国民年金の期間しかありません。
(夫の年金受給が楽しみになった、57歳の妻)

【回答】

年金の家族手当を加給年金額といい、老齢厚生年金に加算されます。
配偶者が65歳以後は、配偶者の老齢基礎年金に振替加算額が加算されます。

あなたの夫が受け取ることができる年金は、61歳から特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分、65歳から老齢厚生年金と老齢基礎年金となります。
加給年金額は、夫が65歳に到達した時点から、夫の老齢厚生年金に加算されます。(図では、わかりやすくするために老齢基礎年金の下に記載しています。)加算は、あなたが65歳に到達するまでの間行われ、加算終了後は、あなたの老齢基礎年金に振替加算額が加算されます。なお、振替加算額は、受給できる老齢基礎年金の額にかかわらず加算されます。

【質問2】
夫は、若い頃に厚生年金の加入期間が18年、その後60歳まで国民年金に加入していました。夫は、来年61歳になり、年金を受給する予定です。 夫の年金には、家族手当がつきますか?
私は、国民年金の加入期間が35年あります。
(56歳専業主婦)

【回答】

加給年金額は、原則20年以上の加入期間のある老齢厚生年金に加算されます。

夫には、厚生年金の期間がありますので、老齢厚生年金を受け取ることができます。しかし、加給年金額は、加算されません。なぜならば、加給年金額は、厚生年金の加入期間が原則20年以上ある老齢厚生年金にしか加算されないからです。夫の厚生年金の期間は18年ですので、残念ながら今のままでは、加給年金額は加算されません。
しかし、もし、夫が65歳になるまでの間に、後2年間厚生年金に加入することができるとすれば、状況は変わります。というのも、61歳(特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢)の時点で20年未満であっても、加給年金額の加算が開始される65歳時点で20年以上になっていれば、加給年金額は加算されるからです。

 

【質問3】
加給年金額は、年金の家族手当といわれていますが、どのような家族を対象に加算されるのでしょうか?また、金額はいくらですか?
(夫の両親と同居している58歳の専業主婦)

【回答】

加給年金額の対象となるのは、要件を満たした配偶者と子です。

加給年金額の対象となる家族は、配偶者と子です。加給年金額の加算が開始される時点で、次の3つの要件(A~C)を満たしていれば、加給年金額の加算の対象者となります。

A 生計維持関係にあること(①と②の要件を満たしていること)
①生計同一であること
老齢厚生年金を受給する人が配偶者・子と住民票上、同一世帯であること。
単身赴任、就学、病気療養等の理由で、配偶者と住民票上の住所は異なっているが、生活費を共にしていた場合は、生計同一とみなします。
②収入要件を満たしていること
配偶者・子の前年の年収が850万円(所得655.5万円)未満であること。
前年の年収が850万円以上ある場合であっても、おおむね5年以内に定年退職等で850万円未満になることが明らかな場合は、生計維持関係が認められます。
〈注〉子の範囲
18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない未婚者か、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の障がい状態にある未婚者。

B 配偶者の年齢は、65歳未満であること
配偶者が65歳になると自身の老齢基礎年金を受給することができるようになるので、加給年金額の加算は終了します。

C 加入期間が20年以上ある、老齢厚生年金、退職共済年金または、障害厚生年金・障害共済年金(3級も含む)、障害基礎年金を実際に受給していないこと
加入期間が20年以上ある老齢、退職の年金は、期間が長いため年金額も多いものとみなされ、金額が多い年金を受け取っている人に対しては、家族手当は必要ないということから、このように定められています。

◆加給年金の額

① 配偶者に対する加給年金 ⇒ 昭和18年4月2日以後生まれは389,200円
                                          (老齢厚生年金の受給権者の生年月日に応じた特別加算を含む)
② 子に対する加給年金 ⇒ 2人目までは1人につき224,000円、3人目以降は1人につき74,600円

 

【質問4】
夫には、38年の厚生年金の期間があり、60歳から特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受け取っています。私は、国民年金の期間しかないので、65歳から老齢基礎年金の受け取りとなります。私は、夫より4歳年上ですが、加給年金や振替加算はどのようになりますか?
(年金が不利にならないか心配している年上の妻)

【回答】
夫が65歳の時点ですでに妻が65歳以上となっているため、加給年金額は、加算されません。しかし、加給年金額の加算開始年齢である65歳時点から、妻に振替が加算されます。
加給年金額は、夫と妻に年の差があるほど、長く加算されます。例えば、最近多くなってきている「年の差婚」のご夫婦の場合で考えてみましょう。現在、夫が65歳、妻が45歳のご夫婦の場合、加給年金額は、妻が65歳に達するまでの20年加算され、金額にすると総額で約780万円となります。

◆振替加算の額

振替加算が加算される方の生年月日により、下記のように決まっています。

 
昭和23年4月2日~24年4月1日生 92,500円
昭和24年4月2日~25年4月1日生 86,700円
昭和25年4月2日~26年4月1日生 80,600円
昭和26年4月2日~27年4月1日生 74,600円
昭和27年4月2日~28年4月1日生 68,800円
昭和28年4月2日~29年4月1日生 62,700円
昭和29年4月2日~30年4月1日生 56,700円
昭和30年4月2日~31年4月1日生 50,800円
昭和31年4月2日~32年4月1日生 44,800円
昭和32年4月2日~33年4月1日生 38,800円
昭和33年4月2日~34年4月1日生 32,900円
昭和34年4月2日~35年4月1日生 26,900円
昭和35年4月2日~36年4月1日生 20,800円
昭和36年4月2日~37年4月1日生 15,000円
昭和37年4月2日~38年4月1日生 15,000円
昭和38年4月2日~39年4月1日生 15,000円
昭和39年4月2日~40年4月1日生 15,000円
昭和40年4月2日~41年4月1日生 15,000円
昭和41年4月2日生以後 -
 

【質問5】
私と夫は3歳違いで、夫婦共働きです。厚生年金の期間は、それぞれ60歳時点で40年を超えます。来年、夫が61歳になり年金の請求をしますが、共働きの場合は、加給年金額や振替加算額はないと聞きました。本当ですか?
(本当であってほしくない、57歳共働きの妻)

【回答】

妻が20年以上の加入期間のある老齢厚生年金を実際に受給している間は、加給年金額は、加算停止となります。

ご夫婦の年金を図にしてみると次のようになります。
夫は厚生年金の加入期間が20年以上ですので、加給年金額が加算される老齢厚生年金です。ところが、加給年金額の加算が始まる、夫が65歳の時点で、妻が20年以上の加入期間のある老齢厚生年金を実際に受給していますので、残念ながら加給年金額は加算停止となります。
では、妻が60歳以後、厚生年金に加入して働き、在職老齢年金の仕組みにより、年金が全額支給停止となる場合は、加給年金額はどうなるでしょう?その場合は、加算されます。というのも、加給年金額が加算停止になるのは、20年以上の加入期間のある老齢厚生年金等を実際に受給している場合であって、年金が全額支給停止ならば、実際に受給はしていませんね。そのため、加算が行われるということになります。なお、20年以上の加入期間のある老齢厚生年金を受給している場合は、振替加算額は加算されません。

同じ年金スタイルでも、妻の厚生年金の期間が20年未満の場合は、加給年金額・振替加算額は加算されます。

【質問6】
私は59歳の女性です。国民年金は、40年の加入になります。最近体調が悪く、長生きをする自信がなくなりました。老齢基礎年金を繰上げ請求しようかと考えています。繰り上げた場合、夫の年金についている加給年金額や私が受け取る振替加算額はどうなりますか?
(59歳専業主婦の妻)

【回答】

繰上げ受給をしても、加給年金額と振替加算額は影響されず、原則通りのスタイルで100%の金額が加算される。

妻が繰り上げて受給しても、夫が65歳到達時から妻が65歳に到達するまでの間は、夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。妻が65歳以後は、妻の老齢基礎年金に振替加算額が加算されます。金額は、いずれも100%のままです。
つまり、妻が繰り上げて受給しても、加給年金額と振替加算額には影響しません。

では、繰下げ受給をした場合はどうでしょうか?
繰下げ受給をした場合、加給年金額の加算は、通常通り65歳まで行われます。しかし、65歳以後、老齢基礎年金を繰り下げている期間については、振替加算額も受給できません。老齢基礎年金の繰下げ受給開始時から加算されます。この時、本体の年金額は繰下げによって増加しますが、振替加算額は100%のままの額で加算されます。
つまり、65歳から繰下げ請求をするまでの間に受け取れるはずであった振替加算額は、受け取れないままに終わってしまうということになります。繰下げの時には、この点に注意してください。

 

社会保険労務士
原令子
株式会社JEサポート代表取締役
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