年金コラム

2013.01.16

「ねんきん定期便活用術」(1)

毎年誕生月に届くねんきん定期便。平成24年度分は、前年度のものと違って、封書ではなくはがきになっていましたね。これは経費削減の一環で、日本年金機構は、今後定期便の送付に変えて、「年金ネット」の利用を国民に呼びかけています。(年金ネットについては、日本年金機構のHPをご覧下さい。)
ねんきん定期便について、見方や内容がよくわからないという声が多く聞こえますが、ねんきん定期便は、私たちの年金について、大変有効な情報を伝えてくれます。新シリーズ「ねんきん定期便活用術」は、特に50歳以上の方のねんきん定期便を使って、年金の問題点の発見や年金額の増やし方、老後資金と年金のシミュレーションの仕方、安心できる老後生活への対策のご提案をしてゆきたいと思っています。ご自分のねんきん定期便を使って、ハッピー年金ライフを作り上げてゆきましょう。
また、トピックスとして年金受給者の方の確定申告を取り上げています。合わせてご覧ください。

その1 老齢基礎年金の額を増やしましょう!

ゆかりさん(昭和31年3月3日生まれ)は、現在57歳の専業主婦。
高校を卒業後5年ほど会社に勤めましたが、職場で出会った毅さん(59歳)と、23歳の時に結婚し、専業主婦となりました。
国民年金は、昭和61年4月から第3号被保険者として加入しています。

1.65歳から受給できる老齢基礎年金の見込額を確認しましょう

  • ねんきん定期便の中の赤い丸で囲んだ部分が、老齢基礎年金の見込額です。
    50歳以上の方のねんきん定期便の金額は、現状のまま60歳まで年金に加入した場合に受け取れる見込額が記載されています。
    なお、50歳未満の方のねんきん定期便の金額は、今まで納付した実績に基づいた金額となっています。
  • ゆかりさんは648,900円になっていますね。
    老齢基礎年金の満額は、786,500円(平成24年度)ですので、ゆかりさんは満額の年金ではありません。
    過去に未加入期間(※注1)があるようです。
  • 国民年金は、20歳から60歳までの40年(480月)の保険料納付で786,500円になります。そのため786,500円未満の金額が記載されている場合は、未納や未加入の期間があったことがわかります。

(※注1)
国民年金は、昭和36年4月にスタートしましたが、昭和61年3月まではサラリーマンの妻は任意加入でした。ゆかりさんは、23歳から30歳までの7年間が合算対象期間(任意加入すればできたけれど加入しなかった期間で、年金を受給するのに必要な25年の期間には入りますが、年金額には反映しません。)となっているため、老齢基礎年金の見込額は、786,500円に達していません。

2.60歳から65歳未満の間に任意加入して、年金額を増やすことができます

  • 任意加入ができる人は?

    60歳時点で受給資格期間を満たしていない場合や老齢基礎年金の額が786,500円(満額)未満の場合は、60歳以後の申出をした月から、任意で国民年金に加入することができます。ゆかりさんの場合は、老齢基礎年金の額が満額ではありませんので、任意加入で年金額をアップさせることができます。
    任意加入の相談と手続きは市区町村役場の国民年金の窓口でできます。

  • 任意加入ができない人は?

    老齢基礎年金の本体の額は、786,500円が上限額(満額)ですので、見込額が786,500円を超えている場合には、任意加入はできません。
    また、60歳以後厚生年金や共済年金に加入して働くと、国民年金の第2号被保険者として強制加入することとなりますので、任意加入はできません。

  • 任意加入できる期間は?

    60歳から64歳11ヵ月までの間、または、60歳から保険料納付済期間(月数)(※注2)が40年(480月)になるまでの間となります。

(※注2) 保険料納付済期間(月数)とは?
保険料納付済期間とは、国民年金の保険料を納めた期間で、具体的には次表のようになっています。
厚生年金や共済年金に加入していた第2号被保険者期間のうち、保険料納付済期間となるのが20歳以上60歳未満の間だけである点に注意してください。たとえば、18歳から60歳まで厚生年金に加入した場合でも、国民年金の保険料納付済期間は、20歳以上60歳未満の間となり、18歳から20歳未満の間は、合算対象期間となります。
これは、国民年金の第1号被保険者と第3号被保険者の加入が20歳以上60歳未満と定められており、第2号被保険者も同様に取り扱う必要があるからです。

  • 保険料はいくら?
    月額14,980円(平成24年度)で、毎月現金で支払うと14,980円×12回=179,760円(年額)となりますが、前納や口座振替を利用すると下表の割引があります。

  • 年金は、いくら位、増額しますか?
    老齢基礎年金は、40年(480月)の保険料の納付で、年額786,500円となります。増加額は、「786,500円×任意加入した月数/480月」で増加額が計算できます。
    1年の任意加入で年間約2万円の増加となりますので、5年間頑張れば年額で約10万円も増えますよ。
  • 任意加入の損得は?
    何歳まで生きるか(=受給するのか)によって、損得は決まります。
    任意加入の月数にかかわらず、74歳2ヵ月で増加の年金額の累計が、支払う保険料を超えます。

    例) 5年間の任意加入をすると・・・
      支払う保険料=15,000円(概算額)×60月=900,000円
      増加する金額額=786,500円×60/480≒98,300円
      900,000円÷98,300円≒9年2ヵ月

     
    さらに、老齢基礎年金には、国庫負担があるため、今後任意加入をして増える年金額のうち、1/2は税金での補填により支払われます。ということは、「老齢基礎年金の額を増やすこと=国庫負担を多く受けることができること」ということになります。
    これらのことから、60歳以後の任意加入と付加保険料の納付は、是非お勧めしたい老後への自助努力のひとつと言えます。

3.さらにお得な情報は?

  • 手軽で簡単、「付加年金」
    さらに年金を増やす方法として、任意加入の際に付加保険料(月額400円)をあわせて納付すると、付加年金(年額:200円×付加保険料を納めた月数)が受け取れます。金額も少なく、物価スライドもしませんが、2年受給すれば、支払った保険料が戻る、確実にお得な年金です。

    例) 付加保険料を5年間納付すると・・・
      支払う保険料=400円×60月=24,000円
      増加する金額額=200円×60月=12,000円(年額)
      24,000円÷12,000円=2年

トピックス

もうすぐ確定申告の時期になりますが、年金受給者の中でも次のような方は、税務署に確定申告をする必要があります。(日本年金機構HPより抜粋)

  • 年の途中で、扶養親族等の人数が増減するなどにより申告した扶養親族等申告書の内容に変更が生じた方(扶養親族等が年の途中で亡くなられた場合は、その年の扶養親族等として申告できます。)
  • 年金以外の収入(給与等)がある方
  • 他の公的年金を受給している方
  • 生命保険料控除、社会保険料控除、医療費控除などを受けようとする方

(注) なお、確定申告する際は、1月下旬頃に送付される公的年金等の源泉徴収票が必要となります。

また、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合などは、確定申告書の提出が不要となります。
この場合であっても、次のようなケースに該当するときには、所得税の還付を受けるための申告書を提出することができます。

  • 扶養親族等の人数が増加するなどにより申告した扶養親族等申告書の内容に変更があった場合(扶養親族等が年の途中で死亡された場合は、その年の扶養親族等として申告できます)
  • 生命保険料控除や医療費控除などを受けようとする場合
社会保険労務士
原令子
株式会社JEサポート代表取締役
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