年金コラム

2010.09.24

知って得する年金あれこれ 「女性と年金大特集」(3)国民年金相談 夫婦で自営業の50代女性

先日、ある週刊誌にとても興味を惹かれる記事が載っていました。多くのがん患者を見送った医師が、「死ぬときに人が後悔すること25」を紹介していたのです。ここですべてを紹介するスペースはありませんが、1.行きたい場所に旅行しなかった、2.美味しいものを食べておかなかった、3.愛する人に「ありがとう」と伝えなかった、4.会いたい人に会っておかなかった、5.記憶に残る恋愛をしなかった、etc...でした。
皆さんも、共感できる項目がありますか? 人生は一度限り、一瞬一瞬を大切にしたい。この記事はそんな気持ちを確認させてくれました。
さて、「女性と年金大特集」シリーズの3回目は、50代女性の自営業の主婦にスポットをあてました。もちろん男性の方にも役立ちますので、ご一緒に読んでくださいね。

相談者:C子さん
  • 自営業で第1号被保険者のC子さん(52歳・昭和33年4月10月生まれ)。
  • 夫婦でインテリア工事の店を経営しています。
  • 夫は55歳で、国民年金には20歳から加入しています。
  • C子さんは、国民年金に25歳からの加入です。

C子さんからの質問

Q1:私たちは何歳からどんな年金がいくら受け取れるのでしょうか?

A1:年金が何歳からいくら受給できるかは、皆さんの老後の暮らしを左右する大切な問題ですね。C子さんご夫婦の年金については、次のようになります。

●ご夫婦ともに受給資格期間(年金を受給するために必要な期間)の25年をクリアしていますので、65歳から「老齢基礎年金」を受取ることができます。

●年金額は、ご夫婦ともに60歳まで保険料を支払い続けると次のようになります。

  • 夫(65歳):792,100円
  • C子さん(65歳):693,100円=792,100円×35/40年

●老齢基礎年金の額は、20歳から60歳までの40年(480月)間の保険料納付で満額の792,100円(平成22年度価格)になります。40年の納付で、約80万円の年金額ということは、「国民年金、1年掛ければ2万円(年額)」といえますね。このルールを使うと、概算額ではありますが、簡単に老齢基礎年金の額が求められます。

●ただし、保険料の免除期間等がある場合は、免除を受けた時期や割合に応じて減額になります。50歳以上の方で受給資格期間を満たしていることが確認されている方に送付される「ねんきん定期便」には60歳まで加入することを前提とした年金額が記載されます。

Q2:国民年金の保険料を安くする方法はありませんか?

A2:平成22年度の国民年金保険料は、月額15,100円で、翌月末日が納期限となっています。この納期を早めて、まとめて支払う、前納制度を使えば、保険料が割引となります。
前納には、1ヵ月と6ヵ月、1年の3タイプあり、割引額も年間600円から最大で3,800円となります。詳しくは、日本年金機構のWebサイトをご覧ください。

Q3:年金を早く受け取ることもできると聞きました。どのようになっているのでしょうか?

A3:老齢基礎年金の受給開始は、65歳からとなっていますが、受給資格期間を満たしている場合は、60歳以後の希望する時期から受給することもできます。これを「繰上げ受給」といいます。
繰上げ受給では、65歳を基点として、1ヵ月繰り上げるごとに0.5%の減額となります。60歳まで繰り上げると65歳時点の70%(100%-0.5%×60月)の金額になり、この減額は一生涯続きます。

この他に、繰上げ受給には、次のような注意点があります。一度請求すると変更や取り消しはできませんので、よく検討してから繰上げ請求をしてください。

【繰上げ受給の注意点】

●繰上げ請求後に障害になっても、原則として障害基礎年金は受給できません。

●ご主人が繰上げ受給をしている場合は、ご主人が亡くなられてもC子さんは寡婦年金が受給できません。また、C子さんが繰上げ受給をした場合には、寡婦年金を受給する権利はなくなります。

●なお、C子さんは該当しませんが、サラリーマンの妻の場合は、次の点も注意が必要です。繰上げ受給している方の配偶者が亡くなられて遺族厚生年金が発生した場合、65歳までは、繰上げ受給の老齢基礎年金か遺族厚生年金のどちらか一方しか受給できません。65歳以後は併給されますが、老齢基礎年金は減額されたままです。

Q4:夫に万一のことがあった場合、遺族の年金などはどうなりますか。

A4:ご主人が亡くなられた時期によってC子さんが受給できる給付は変わってきます。

●ご主人が老齢基礎年金の受給開始前に亡くなられた場合

C子さんは死亡一時金(32万円)または、寡婦年金のどちらかを受給することができます。ただし、寡婦年金を受け取ることができる期間は、C子さんが60歳から65歳までの5年間に限られています。また、寡婦年金の額は夫が死亡した時点までの保険料納付済月数で計算した老齢基礎年金の額の3/4となります。

●ご主人が老齢基礎年金の受給開始後に亡くなられた場合

遺族の給付はありません。ご主人に万一のことがあったら、C子さんはご自身の老齢基礎年金のみになります。

関連する「原令子の年金コラム」は、「遺族年金について(2009年6月25日掲載)」をご参照ください。

Q5:国民年金だけですので、年金額が少なく不安です。年金額を増やす方法はありませんか?

A5:国民年金だけの方は、確かにサラリーマンや公務員のように、報酬に比例して支払われる厚生(共済)年金がないため、その分金額も少ないので不安ですね。そこで、年金を増やす方法として、「付加年金」、「国民年金基金」と「任意加入」、「繰下げ受給」の4つの年金額アップ方法をご紹介します。

●付加年金

老齢基礎年金に付加年金をプラスして受け取ることで受給額を増やすことができます。15,100円の基本保険料に月額400円の付加保険料をプラスして納付しますと、「200円×付加保険料を納付した月数(年額)」で計算をした付加年金が、老齢基礎年金と同時に終身受け取れます。2年間の受給で支払った保険料が回収できるお得な年金です。市区町村の国民年金の窓口にお申し出ください。

●国民年金基金

国民年金基金は、老齢基礎年金の上乗せ給付として作られた制度です。各都道府県ごとに設けられている地域型基金と、同種・同業者で設立している職能型基金がありますが、給付内容は同じです。
それぞれの基金には、5つのタイプの給付があり、タイプごとに掛金が異なります。掛金の違いは、加入する年齢と性別、給付の期間が終身か有期か、また保障期間の有無から生じます。加入する方は、掛金が月額68,000円の範囲内で、希望するタイプと口数が選択できます。詳しくは国民年金基金のWebサイトをご覧ください。

●任意加入

国民年金保険料の納め忘れなどの事情により、60歳時点で保険料の納付済期間が40年間に満たない場合は、国民年金に任意加入して、満額の年金に近づけることができます。任意加入できる期間は、60歳から65歳未満の間ですが、最大でも40年までとなります。
C子さんの保険料を納付した期間が、60歳時点で35年であれば、60歳以後、5年間任意加入をすることで、老齢基礎年金は年額で約10万円増加します。

●繰下げ受給

65歳支給開始の老齢基礎年金を66歳以後の希望する年齢から受け取ると、1ヵ月あたり、0.7%の増額となります。これを繰下げ受給といいます。繰下げは、最大70歳までとなっており、0.7%×60月=42%の増加率となります。なお、70歳以降は、繰り下げても増額しませんし、請求が遅れるとその間の年金は受給できなくなります。その他にも注意点がありますので、ご確認の上、繰り下げてください。

Q6:ねんきん特別便や定期便が届いたのですが、結婚前に働いていた期間が記載されていません。仕事が忙しくて放置していましたが、今からでも何か手続きをしたほうがよいのでしょうか。

A6:今からでも遅くありませんので、結婚前に働いていた期間を年金加入記録回答表に記載して、日本年金機構に返送してください。結婚前にお勤めとのことですので、旧姓を忘れずにお書きください。
もし、25歳までの間に加入していた厚生年金(民間企業に勤務していた)が確認できれば、61歳から特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分が受給できます。この場合は、任意加入しなくても老齢基礎年金は満額受給できます。
なお、不明な点は、最寄りの「街角の年金相談センター」や「年金事務所」でご相談することをお勧めします。相談の際は、事前に電話で持参する書類等を確認されるとよいですね。

参考 ※トップページから「年金に加入している方 これから年金に加入する方」をクリックし、遷移後のページで「国民年金」の中から「国民年金保険料(国民年金1号被保険者)について」が参考になります。
社会保険労務士
原令子
株式会社JEサポート代表取締役
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