年金コラム

2025.11.18

年金機構から届く書類~源泉徴収票

皆さん、こんにちは。社会保険労務士の尾田佳子です。
大阪・関西万博2025も終了し、「万博ロス・ミャクミャク様ロス」から回復に向かいつつある中、今年も残り1ヶ月半という事実に驚愕です。
時が経つのは、本当に早いです。

年金相談の窓口には、毎日、いろいろな相談が寄せられますが、やはり傾向みたいなものがあるような気がします。
意識していなくても、相談内容で「そろそろ、そういう時期かぁ~」と思うことも多いです。

年金制度や、会社の規程が変わり、これまでとは違う疑問が生じることもあるでしょう。
そういう時には、窓口で確認されたらいいと思います。
ただし、最終的な判断は、ご自身で行うことが大切です。

さて、年末が近付き、商店街も賑やかな雰囲気になってきましたよ。
今日は、どんな会話が繰り広げられているのでしょうか?

公美 「今年も、残り少なくなってきたねぇ~。年々、時間が経つのが早く感じられるわ~。」
厚二郎 「くーちゃん、そろそろ忙しい時期やんな?」
公美 「そうそう。年末調整なんて、毎年のことやから、事前に段取り組んで用意するねんけど、やっぱりバタバタするんよね…。」
礎一郎 「それはしょうがないよ。」
厚二郎 「それは、今流行りのAIでは出来へんの?」
公美 「出来るかも知れないけど、今は、それを調べてる時間がもったいない…。」
礎一郎 「何かと工程の多い仕事やんね…。」
公美 「皆さんに提出してもらった書類、全部、1枚ずつ確認していかなくちゃいけないからね。分からんところは聞かなきゃいけないし。」
厚二郎 「僕は会社に提出するだけやから、大変さとか分からんねんけど、全社員のってなると、大変やろなぁ…。」

老齢年金は収入

公美 「年末調整で忙しいのは、総務とか経理部門よね。この時期ばかりは皆、殺気立ってるし、定時上がりは諦めてる(笑)」
礎一郎 「提出前には、いろいろ聞いてきはるやろうしな。」
公美 「うん。結局、皆さんにとっても1年に1回やから、去年のことなんて覚えてないよね~。」
礎一郎 「なるほどね。」
厚二郎 「去年とは状況が変わった人もいはるやろうしなぁ。」
公美 「皆さんもだけど、私たちも毎回調べて対応してるから、時間かかってしまうんよね。」
厚二郎 「そう言えば、年金もらってる人って、年末調整どうすんの?」
礎一郎 「年末調整って、給料もらってる人がするもんちゃうん?」
厚二郎 「だから、今年から年金もらうようになった先輩は、年金も給料ももらってるやん。どうするんかなって思って。」
礎一郎 「くーちゃん、前にも、年金は収入になるって聞いたような気がするんやけど。」
公美 「うん。年金の内、障害年金や遺族年金は非課税だから、収入にならない。
でも、老齢年金は収入になるよ。収入になるってことは、税金や保険料等に影響出てくる可能性もあるってこと。これまでは、お給料だけが収入だったけど、年金も含まれるようになると、単純に収入は増えるよね。」

年金の源泉徴収票

礎一郎 「あ、じゃあ、年金もらってる人は、その年末調整の紙に、年金のこと書くの?」
公美 「うーん。年末調整の紙に書く欄はあるねん。だから、書いてきはる人もいる。
ただ、書いてあっても、確認出来る書類がないから、その金額が合っているのか、私たちもチェックのしようがなくて。他の会社はどうやってるんかなぁって思う。まぁ、そこまで細かくみなくてもいいのかも知らんけど・・・。」
厚二郎 「でも、年金の額ってあらかじめ分かってたやんな?」
公美 「年金額は、年度単位で決定するけど、収入額は年単位やから、ちょっと違うねん。」
礎・厚 「え???」
公美 「毎年6月に届く年金額改定通知書は、その年の4月分~翌年3月分の年金額。これが振り込まれるのは、6月~翌年4月ね。
で、その年の年金収入額は1月から12月に振り込まれた合計額。まぁ、基本的には偶数月やから、2月から12月かな。」
厚二郎 「ややこしっ!」
礎一郎 「ほんなら、くーちゃんがさっき言ってた年金の受取額が確認出来る書類って、どんなもの?」
公美 「毎年1月に、日本年金機構から、前の年の年金収入額が記載された源泉徴収票が届くよ。」
礎一郎 「あ、1月かぁ。確かに、年末調整には間に合わへんね。」
公美 「うん。だから、必要な人は自分で、お給料と年金の源泉徴収票で確定申告するんかな?そこはちょっと分からないから、税理士さんとか税務署とかで確認する必要があるんかもね。」
厚二郎 「いろいろせなアカンことが増えてくるなぁ~。」
礎一郎 「俺は一応、個人事業主やから、そういう関係の手続きに抵抗はないけど、こーくんみたいに、ずっと会社員で、全部会社がしてくれてた人は大変やろなぁ。」
厚二郎 「ほんまそれ…。でも、僕は安心やわ。頼りになるお兄ちゃんがいるから!」
公美 「相変わらず、調子いいなぁ~(笑)」

!今回のPOINT!

案外知られていませんが、老齢年金、遺族年金、障害年金、これら3種類の年金の内、老齢年金は収入になります。
収入になるということは、課税対象となりますので、ある一定額以上の年金を受け取っている場合は、所得税がかかります。
また、年金を受け取っている方全てが対象になるわけではありませんが、収入を元に計算される住民税や国民健康保険料、介護保険料等にも影響します。

会社勤めで、お給料を受け取っている場合は、給与明細が発行されます。
年金で言うところの、振込通知書ですね。
そして、年末には、その年1年に受け取ったお給料やボーナスの合計額等が記載された、源泉徴収票が発行されます。
年金でも同じように、その1年に受け取った金額が記載された源泉徴収票が届きます。
ただ、届くのは年が明けてからになりますので、ご注意くださいね。

必要な書類は、ご本人の元に届くので、確認するようにしてくださいね。
そしてもし、内容に疑問点等があれば、相談窓口等で確認するようにしましょう。

!言葉のおさらい!

年金額改定通知書
年金額が改定された時に届く通知書。
物価や賃金の変動によって年金額が改定された時、振込時期に合わせて6月に届く。
年金額は年度単位で改定される為、4月分から改定される。

振込通知書
年金の振込日にあわせて送られてくる通知書。
年度初めの6月、受取金融機関を変更した時、年金から控除されるものに変動があった時等に届く。
2ヶ月分の年金額と、年金から控除される税金や保険料、実際に振り込まれる額が記載される。

源泉徴収票
毎年1月に、その前年に年金を受け取った受給者に届く。
受け取った年金額や、年金から控除された所得税等が記載されている。

社会保険労務士
尾田佳子
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