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年金コラム

2021.09.21

死亡に伴う年金の請求手続きについて

こんにちは社会保険労務士の土屋です。今回も皆さんにとって関心の高い年金についてお話しさせていただきます。
今回は死亡に伴う年金の手続きについてです。
人間誰しも死を避けることができません。年金受給者や、国民年金または厚生年金保険の被保険者の方が死亡した場合には、死亡に伴う年金の請求手続きが必要になります。今回は年金受給者の方が死亡した場合の未支給年金について取り上げます。未支給年金については平成22年に一度このコラムでも取り上げましたが、その後改正もありましたので、その点を踏まえて説明させていただきます。

未支給年金は必ず発生する

年金は、偶数月の15日(土日祝日の場合は前日または前々日)に、前月・前々月の2ケ月分が指定した口座に振り込まれます。したがって、年金受給者が死亡した場合、必ず年金受給者への未払い分の年金(未支給年金)が発生します。
たとえば、9月1日に年金受給者が死亡した場合、9月分の年金は10月に振り込まれますが、本人が死亡した以上、9月分の年金を本人は受け取ることができません。その代わり、本人と生計維持関係があった親族が請求手続きを行えば、9月分の年金を未支給年金として受け取ることができます。
通常年金の振込手続きは、振込日の前月初旬頃には完了しますので、死亡した日によっては死亡した年金受給者の口座に振り込まれてしまう可能性があります。
※日本年金機構ではマイナンバーで確認し、生存確認を行っていますので、日本年金機構で年金受給者の死亡が確認できた場合には振込はされません。

もし、受給者の口座に振込を避けたいとの希望があれば、管轄の年金事務所に来所(死亡のわかる書類が必要)または電話で受給者が死亡した旨を連絡して、振込を止めることができますが、年金振込日が近い場合には金融機関の窓口に連絡をして口座を凍結することができます。ただし、口座凍結後は入金出金も記帳をすることもできなくなりますので、注意が必要です。
※凍結した金融機関の口座は相続関係の書類を金融機関に提出することによって凍結を解除することができます。書類についてはそれぞれの金融機関で確認をしてください。なお、金融機関によってはすぐに凍結をすることができない場合があります。

未支給年金の請求ができる家族について

未支給年金を請求できる家族は法律に定められた下記の家族で、死亡当時死亡者と生計維持関係のあること(生計同一であること)が条件になります。
① 配偶者、②子(養子含む)、③父母、④孫、⑤祖父母、⑤兄弟姉妹、⑥3親等の親族
①~⑥の家族から順番に請求をすることができます。したがって、優先順位の家族が請求をすれば、降順以降の方は請求できません。請求手続きには下記の書類が必要になります。

1.戸籍謄本(婚姻や養子縁組前の旧姓がある場合は、前戸籍や改正戸籍も必要になることもある)。
2.住民票(死亡者の住民票と請求者の世帯全員の住民票)
3.請求者の口座のわかる預金通帳またはキャッシュカード(写しの持参可)
※遺族年金の請求がある場合には上記の他に死亡診断書や請求者の所得証明が必要になります。

2の住民票についてはマイナンバーカード(または通知カード)で、本人の生存並びに死亡者の死亡日等が確認できれば、提出は不要にできます。また、自治体によっては年金用といって請求をすれば、無料で入手できる場合もあります。
また、同じ順位者が複数いた場合は、一方が請求をした場合には他の同順位の方は請求することができません。たとえば、子が二人いて別々に未支給年金を請求した場合は、早く請求をした方に支給されることになります。また、未支給年金は死亡者の相続財産ではなく、請求者の一時金となります。

3親等の親族は、以前コラムでご説明した平成22年当時は請求者となっていませんでしたが、平成26年に改正され、現在は請求者とされています。具体的には死亡者の甥・姪、甥・姪の配偶者、死亡者の子の配偶者並びに配偶者の子(継子)等です。最近は子がいない方や、子や兄弟姉妹がいても遠方に住んでいて生計維持関係がなく、甥や姪が最後の面倒をみている場合もあります。また、受給者の実子が先に亡くなっていて、死亡者と養子縁組をしていない実子の配偶者やその配偶者の前婚の子(継子)が最後の面倒をみているというケースもありますので、そうした家族にも請求権を与えるようになりました。

別世帯の場合には第三者証明が必要

最近は親子であっても施設入所や様々な事情により別世帯で暮らしていることが多くなりましたし、兄弟姉妹や3親等の親族となると別世帯ということが多いと考えられます。未支給年金の請求者が別世帯の場合には所定の第三者証明を他の書類と一緒に提出する必要があります。
書類に記載するのは下記の内容です。

1.別居していた理由(婚姻、就職、施設入所、本人が希望した為等)
2.死亡時までの連絡手段(訪問・電話等)
3.生計同一をしていた内容(生活費の支給、電化製品の購入、賃貸料や公共料金の負担、病院代や施設費の支払等)
上記項目を記載した上で、その事実を第三者(親族以外の第三者)に確認をしてもらう為に、書類の所定欄に第三者の方の住所を記入・署名をしてもらい提出します。

 

別世帯とは、同じマンションの別の部屋(部屋番号が違う)や、同じ敷地内であっても地番が異なる場所に住んでいる世帯をいいます。なお、一軒家に2世帯(地番同じでそれぞれ世帯主)で居住している場合には同世帯とみなされます。最近は夫婦で異なる施設に入所するなど、さまざまなケースがありますが、原則は住民票上の内容で判断されます。詳しくは請求手続き時に日本年金機構に確認をしていただければと思います。
なお、下記の書類を添付すれば第三者証明に第三者の署名は不要になります。(書類の提出は必要)

図表①

遺族年金が受給できる場合

死亡した方が、老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある方(生年月日によっては25年未満の方もあり)か、あるいは被保険者中に死亡した場合は、その方の家族が遺族年金を請求できる可能性があります。請求できる方は下記の家族になります。
①配偶者(妻は年齢要件なし、55歳以上の夫)、②18歳未満の子(障害者は20歳未満)、③55歳以上の父母、④55歳以上の祖父母、⑤18歳未満の孫(障害者は20歳未満)
※55歳以上の夫・父母・祖父母については60歳から支給で、それまでは支給停止。
なお、平成26年の法改正により、第3号被保険者が死亡し、18歳未満の子(障害者は20歳未満)のある夫は55歳未満であっても子が18歳の年度末(障害者は20歳)になるまで遺族基礎年金が受給できるようになりました。

順番は①の配偶者から優先支給になります。また、遺族年金の請求の場合は死亡時に死亡者に生計を維持されていたことが必要になる等、未支給年金の手続きとは異なる点がありますので、詳しくは年金事務所や社会保険労務士にご相談いただくようお願いします。

社会保険労務士
土屋 広和
さいたま総合研究所人事研究会 所属
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