年金コラム

2009.04.23

年金の素朴な疑問シリーズ(1)万一障害になったら

ゴールデンウィークが目前に迫りました。皆様それぞれに楽しい計画を立てていらっしゃることでしょう。この季節の新緑の美しさは「春もみじ」といわれ、秋の紅葉にも匹敵します。緑のグラデーションを眺め、木々の間をわたってくる風に吹かれていると、生きていることへの感謝がさわやかに湧き上がってくるようです。

さて今回は、病気や事故などで障害状態になったときの保障についてお話しましょう。一定の障害状態になったときは、年金や一時金が受けられますが、その仕組みはどのようになっているのでしょうか。

Q1:万一障害の状態になったときには、どのような障害給付が受けられますか?

A1:障害は、障害の程度によって重いほうから1級・2級・3級に区分されています。
障害の給付として国民年金には、障害基礎年金1・2級があり、厚生年金については、障害厚生年金1・2・3級と障害手当金があります。1・2級は、基礎年金と厚生年金が原則セットで支給されますが、障害厚生年金3級と障害手当金は、厚生年金の独自給付となっていますので単独で支給されます。

Q2:障害年金の受給要件を教えてください?

A2:障害給付については、次の3点が受給要件として問われます。

  1. 初診日に加入していた制度
  2. 障害認定日における障害の状態
  3. 初診日前日における保険料納付状態
  1. 初診日において、どのような制度に加入していたか?

    「初診日」とは、「障害の原因となった病気またはケガで、初めて医師等の診察を受けた日」のことです。障害給付では、初診日が非常に重要なポイントとなります。というのも、どんな給付が受けられるかは、初診日に加入していた制度によって決まるからです。
    特に障害厚生(共済)年金は、在職中に初診日がなければ受給できません。健康上の問題で退職する場合は、必ず退職前に受診しておきましょう。

    【障害基礎年金】

    ・国民年金の被保険者

    ・国民年金の被保険者であった人で日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人

    【障害厚生年金】

    ・厚生年金の被保険者

  2. 障害認定日において、障害等級に該当していたか?

    「障害認定日」とは、障害の程度を決定する日で、「初診日から1年6か月を経過した日または、それまでに治癒した場合はその日(症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)」とされています。

    等級の概要は、次のようになっています。
    (注)身体障害者手帳の等級と、年金制度の障害等級は、必ずしも同じではありません。

    1級:他人の介助を受けなければほとんど自分の用を済ませることができない程度のもの
    2級:日常生活が著しい制限を受ける程度等の障害を有するもの
    3級:労働が制限を受ける程度の障害を要するもの

    なお、障害認定日に障害等級に該当すれば、翌月から年金は支給されますが、認定日に不該当でも、その後状態が悪化し、65歳になるまでに障害等級に該当(事後重症)し請求すれば受給可能です。
    また、国民年金加入前(20歳前)に障害の状態となる傷病の初診日がある(20歳前障害)場合は、20歳に到達すると障害基礎年金が請求できます。

    ※20歳になると国民年金に加入し保険料を納付する必要がありますが、障害基礎年金の受給権者は、法定免除で保険料が全額免除されます。

  3. 初診日の前日において保険料納付要件を満たしていたか?

    公的年金では、きちんと保険料を納めていないと、給付が受けられないという原則になっています。そのため、保険料納付要件が受給要件に組み込まれています。初診日の前日に保険料納付要件を確認する理由は、滞納していた人が、事故が起こってから保険料を納付して納付要件を満たすという逆選択を防止するためです。

    保険料納付要件は次のようになっています。

    〔原則〕
    初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がある場合は、その被保険者期間のうち、2/3以上が保険料納付済期間または保険料免除期間であること

    〔特例〕
    原則を満たせない場合でも、平成28年3月31日までの間に初診日のある場合は、初診日の属する月の前々月までの1年間に滞納期間がないこと

Q3:障害年金の受給額を教えてください。

A3:障害基礎年金は定額ですが、障害厚生年金は老齢厚生年金の計算と同様の方法で計算します。

●障害基礎年金
保険料納付済月数に関係なく定額です。

  • 1級 : 990,100円 = 792,100円 × 1.25
  • 2級 : 792,100円
子がある場合は、2人目までは1人につき227,900円、3人目からは75,900円が加算されます。

 

●障害厚生年金
基本的には、老齢厚生年金の報酬比例部分と同様の計算で求めますが、次の点が異なっています。

  • 被保険者月数は、障害認定日までの被保険者月数を用いますが、300月に満たない場合は300月として計算します。
  • 給付乗率は、生年月日にかかわらず総報酬制導入前の期間は1000分の7.5で、導入後は5.769で計算します。

障害厚生年金1級 + 障害基礎年金1級
障害厚生年金1級 + 障害基礎年金1級 報酬比例部分相当額×1.25+配偶者加給年金額(227,900円)+990,100円

障害厚生年金2級 + 障害基礎年金2級
報酬比例部分相当額+配偶者加給年金額(227,900円)+792,100円

障害厚生年金3級
報酬比例部分相当額(障害基礎年金がないため、594,2000円の最低保障あり)

障害手当金(一時金。最低保障1,168,000円)
報酬比例部分相当額×2

(注)配偶者加給年金額は、65歳未満の配隅者がいる場合のみ加算されます。
  なお、老齢厚生年金の配偶者加給年金額に加算されている特別加算はありません。

社会保険労務士
原令子
株式会社JEサポート代表取締役
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