年金コラム

2008.07.31

読者からの素朴な相談(8)年金の繰上げ受給

毎日暑い日が続きますが、皆さまお元気ですか。夏の野菜といえば、トマトですが、最近は季節を問わず店頭に並んでいるので、トマトが夏の野菜であることを知らない方も多いようです。ぽっちゃりとした真っ赤な愛らしい姿は、太陽のエネルギーそのもののように思えますね。旬のトマトは冷たくしてかぶりつくのが一番です。

今回は、「年金の繰上げ受給」についてです。
年金は、支給開始年齢が定められていますが、その年齢より前から早く受給することができます。これを繰上げ受給といいます。
今回はもうすぐ年金受給を開始する会社員D雄さんからの質問です。

質問者:D雄さん(平成20年8月1日現在) 59歳(昭和23年12月2日生まれ)、厚生年金の加入期間38年、平成20年12月退職予定

Q:私は、60歳から次のような年金を受給します。繰上げ受給ができるそうですが、どの部分が繰上げできるのですか?

A:繰上げ受給できる年金は、65歳から受給する老齢基礎年金(黄色の部分)です。
老齢基礎年金は、原則65歳から支給されますが、受給資格期間を満たしている場合は60歳以後の希望する時期から請求することができます。繰上げ受給には、老齢基礎年金の全額を繰り上げる「全部繰上げ」と一部を繰り上げる「一部繰上げ」があります。

  1. 全部繰上げ

    老齢基礎年金の全額を繰り上げる制度です。老齢基礎年金のみを受給する方や定額部分がない方は、全部繰り上げの請求をして65歳前から年金を受給することができます。
    しかし、D雄さんのように定額部分が受給できる場合は、全部繰り上げをすると定額部分が(緑色の部分)が支給停止となってしまいます。厚生年金の加入期間が長い方は定額部分の金額が高くなりますので、全部繰上げは有利な方法ではありません。

    ※繰上げ受給率は、一ヶ月繰り上げるごとに0.5%の減額となります。60歳まで繰り上げると65歳時点の70%の金額になります。

  2. 一部繰上げ

    厚生年金の期間が長い場合は定額部分を活かして受給できる一部繰上げが有効です。一部繰上げは、老齢基礎年金の一部のみを繰り上げ、その一部だけが減額になるので65歳以後の年金額も確保できます。

    (1)繰上げ調整額= 定額部分×A

    (2)老齢基礎年金の一部繰上げ額=老齢基礎年金×B

    (3)繰り上げなかった老齢基礎年金の加算額=老齢基礎年金×A

    (4)65歳からの老齢基礎年金=老齢基礎年金×C

    注1) 上記ABCの率は下表から、一部繰上げの請求時期に対応した率を用いて計算を行う
    注2) S24年4月2日以降に生まれた男性、及びS29年4月2日以降に生まれた女性は、定額部分が支給されないため、一部繰上げはありません

【事例】

D雄さんの定額部分は64歳から支給開始となり年間約70万円
65歳からの老齢基礎年金も年間約70万円
60歳から一部繰上げでの受給を希望する

(1)繰上げ調整額= 定額部分×A
  =70万円×20%=14万円

(2)老齢基礎年金の一部繰上げ額=老齢基礎年金×B
  =70万円×56%=39万2000円

(3)65歳からの老齢基礎年金=老齢基礎年金×C
  =70万円×76%=53万2000円

原令子のワンポイントアドバイス!

  • 「繰上げ受給」は老齢基礎年金のみが対象
  • 「繰上げ受給」(減額)は60歳から可能
  • 66歳以降への「繰下げ受給」(増額)もある
  • 今回の(例)D雄さんはS23年生まれのため「定額部分」がありますが、S24年4月2日以降の方には「定額部分」がありません

次回は、「繰上げ受給の注意点」について掲載します。

社会保険労務士
原令子
株式会社JEサポート代表取締役
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