2010.11.04
健康保険証なしや古い健康保険証で病院に掛かったら?(療養費の請求)
皆さん、こんにちは。
皆さんが持っている健康保険証、ないと不安ではありませんか?
いつ風邪を引くか、いつ歯が痛くなるかなんてわからないですし、子供がいれば必要不可欠なものですよね。
現在の健康保険証はカード型がほとんどなので、お財布に入れて持ち歩く方が多いでしょう。ですが、もしたまたま持っていないときに具合が悪くなったり、就職したばかりで会社からまだ健康保険証をもらっていないときは、病院に掛かれないのでしょうか?
もちろん掛かれないことはありません。が、健康保険証がないと、病院で治療費を全額支払うように言われることがあります。
普通は、月1回、最初に病院に掛かった日に、加入している健康保険に変更等がないかを確認するため、健康保険証を窓口で渡しますが、やむを得ず健康保険証なしで病院に掛かったときや、間違って違う健康保険証を使ってしまったときの払い戻しのしかたなどについて、今回はみていきます。
ケース1
- 健康保険証を持たずに病院に掛かったとき
- 会社が加入手続中で健康保険証が手元にないとき
掛かり付けのお医者さんなら、事情を説明し、次回持ってきてくださいで済むこともありますが、遠出したときに具合が悪くなり現地の医療機関に掛かったり、初めての医療機関に掛かるときなどは、一旦治療費全額を立替払いすることが多いです。
立替払いの精算は、後日その月内に病院に出向き健康保険証を呈示できれば病院で精算してもらうこともあり得ますが、すぐに行けなかったり、病院の診療報酬請求の締めに間に合わない場合は、療養費の申請(※1)をすることになります。
- 提出先:加入中の健康保険証発行元(協会けんぽ、市区町村、健康保険組合など)
- 届書:「療養費支給申請書」
- 添付書類:1.病院からもらった診療報酬明細書原本、2.病院からもらった領収(明細)書原本
ケース2
- 就職したが前の国民健康保険証や家族の扶養に入っていたときの健康保険証を使ってしまった
- 退職したのに前の会社の健康保険証を返さず使ってしまった
間違って、本来使えない健康保険証を使ってしまうと、あとで前に加入していた健康保険証発行元(社会保険なら協会けんぽや健康保険組合、国民健康保険なら市区町村、国民健康保険組合)から医療費の請求書と診療報酬明細書が届きます。
診療報酬明細書は、保険給付を行う健康保険証発行元(保険者)が、審査のために必要な書類で「開封しないでください」と書いてあります。開封してはいけない理由は、氏名・性別・生年月日などの個人情報、病名や診療内容が細かく書かれており、他人の眼に触れないようにするためです。
また、本人に告知していない治療内容が記載されているケースもあり、センシティブな内容であるためということもあります。
支払いを済ませ領収書と診療報酬明細書を添付して、診療を受けた日現在加入している健康保険証発行元に療養費の申請(※2)をすることになります。
- 提出先:加入中の健康保険証発行元(協会けんぽ、市区町村、健康保険組合など)
- 届書:「療養費支給申請書」
- 添付書類:1.前の保険者から届いた診療報酬明細書原本、2.前の保険者に支払った領収(明細)書原本
おしまいに
間違って、本来使えない健康保険証を使うことがないよう注意が必要です。
もし、わからないことがあれば、加入している健康保険証発行元(保険者)や人事総務のご担当の方に聞いてみるのが一番です。