2010.05.06
健康保険の基礎知識 受けていますか? 健康診断
皆さん、こんにちは。
ゴールデンウィーク、楽しく過ごされましたか? カレンダー通りお休みできる人にとっては、正にゴールデンな暦で、私も今年はゆっくりしてしまいました。
さて、春は健康診断の季節。学校や会社では定期健康診断で受けられますが、自営業や専業主婦の場合はご自身で申込みをする必要があり、いつ受けてもいいとなると、つい先延ばしにしてしまいがちです。
特に、健康に自信がある人ほど、健康診断は受けなくてもいいかと思ってしまうでしょうし、体調が多少悪くてもそのうち治るだろうと病院に行かなかったり、病院が嫌いで行くのが面倒という人もいるかもしれません。
自覚症状がなく、体には痛みが出ない部位もありますが、年齢を重ねれば体に様々な変化が表れてきますよね。健康診断で、高血圧・がんなどの生活習慣病や疾患を早期に発見し、ことなきを得ることも多いものです。
健康診断は、会社等に勤めているか否か、自身が加入している健康保険の医療保険者がどこか、年齢により受ける項目などが違ってきます。今回は、これについて説明しましょう。
1.職場の健康診断を受ける人
常勤で仕事をしている人は、通常、職場で指定される健康診断を受診します。
労働安全衛生法という法律で、事業主は従業員の健康状態を把握するため、年1回定期に医師による健康診断を受けさせなければならないと定められており、受診した人は、職場へその結果報告が必要です。また、深夜業従事者や危険有害物質を取り扱う人は、6カ月ごとに1回などプラスアルファがあります。
一般的には、職場で加入している健康保険の医療保険者が行うものを利用することが多く、40歳以上は特定健康診査(メタボ検診)の対象となるなど、検査項目が年齢により異なりますので、お勤めの職場の指示に従ってください。
なお、短期契約や週20時間未満勤務で働いている人などは、原則対象外です。
2.お勤めしている人の扶養家族
健康保険の被扶養者になっている40歳以上の方は、お持ちの健康保険証の医療保険者が実施する健康診断を受診することができます。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)加入の場合
平成22年度からは事業所を通じて、受診券が配布され、健診機関に直接予約を取って受診します。被扶養者の特定健康診査は無料の場合がほとんどです。
なお、子宮がん健診、乳がん検診、肺がん検診、肝炎ウィルス検査などの、有料オプション検診はお住まいの市区町村が実施するほうで申込みとなっています。 - 健康保険組合加入の場合
健康診断の案内がない場合は、健保組合に直接問い合わせるか、被保険者を通じて総務・人事のご担当者に聞いてみるとよいでしょう。
なお、被扶養者になっていても40歳未満の人は、協会けんぽでは健康診断受診対象外。健康保険組合の場合も、ほとんどが対象外となっています。
3.国民健康保険に加入している人
市区町村の国民健康保険に加入している人は、市区町村が実施する、国保健康診査(40歳未満)、特定健康診査(40歳以上)、国保人間ドッグ(40歳以上で有料でも詳しく検査したい場合)のうちいずれかを実施医療機関へ直接申し込みます。
4.後期高齢者医療制度に加入している人
75歳以上の人は、お住まいの市区町村が実施する、長寿医療制度健康診査、または後期高齢者人間ドッグ(有料)を受診できます。医療機関へ直接申し込みが必要です。
5.生活保護世帯等
お住まいの市区町村の健康増進健康診査が受診できます。医療機関へ直接申込みが必要です。
各市区町村により健康診断の申し込み方法等異なりますので、上記と違うことがあります。また、国民健康保険の加入者でもなく健康診断を受けられる対象から外れてしまうような場合、在住していれば健康診断を受けられる市区町村もありますので、ぜひ調べてみてください。
いずれの場合も受診する際に健康保険証等が必要ですので、確認のうえ受診日に医療機関へ行きましょう。
査当日は朝食を取らないなどの注意点もありますので、受診案内資料にはよく目を通しておきましょう。
6.その他、加入している団体がある場合
商工会議所や同業者の組合などでも、人間ドックを実施する医療機関を紹介し、費用補助が出ることがあります。MRIを取れるなど、より詳しい検査を行ってみたいときなどに利用するとよいでしょう。
おしまいに
長妻厚生労働大臣は、来年度から企業の健康診断に「うつ病」の検査項目を入れようとお考えとのこと。これには賛成! 周りの人が大丈夫かなと感じていても、なかなか本人に病院に行ったらどうかとは言えないものですよね。現代病とも言える「うつ病」で長期療養している人は本当に増加の一途をたどっており、重症化する前に予防したいものです。