旅・レジャー

2010.01.14
日本の中にありながら、まるでそこだけ中国へと切り替わったかのように、異なる文化の香りを感じさせてくれる中華街。その異国の香りが多くの観光客を引き寄せ、通りはいつでも祭のような、熱と活気で満ち溢れている。
そんな独特の空気を持つ中華街の一年のうちでも、一番の盛り上がりを見せる時期が、「春節」だ。春節とは正月初めの日を示す(=元旦と同じ)言葉で、中華圏の国々ではもっとも重要と考えられている祝日。その起源は、遥か昔、古代中国の王「舜」が天を祀ったことであると伝えられている。
この春節を祝うための習慣は、いまなお人々の間で深く根付いており、たとえば一般の家庭では、新年を華やかに楽しく過ごすために春節用の衣装を用意する。さらに、家の門や窓ガラスには、縁起のいい「福」や「春」といった文字を切り絵にした赤い紙を貼り、厄を祓って福を呼び込む。料理には「有頭有尾、善始善終」(始まりがよい、終わりがよい)の意味を込めて丸ごと一匹の魚を出すなど、日本の縁起物と同じように、新しい年への期待と希望を込め、祝い事を行うのだ。また、中華街などで見られる爆竹は、音で魔物を追い払い、一年の不幸、不運を払う意味があるとされている。
現在、春節は日本各地の中華街でも味わうことができる。2010年の「春節」は2月14日。今年の旧正月には、華やかな雰囲気に包まれながら開催される春節の祭を体感してみるべく、小さな旅の計画を立ててみてはいかがだろうか。
日本の三大中華街といえば、横浜中華街、神戸南京町、長崎新地中華街の3つ。これらの中華街では、春節に合わせてさまざまなイベントを行っている。
横浜中華街では、2009年12月からすでに春節を祝うためのイベントがスタートしている。4,000枚の中華旗が中華街全域を埋め尽くし、横浜媽祖廟には龍や鳳凰のランタンが光り輝く豪華絢爛なイベントは、2月28日(日)まで開催。どの日に訪れても十分楽しめるが、春節前日の2月13日(土)に行われる春節カウントダウンや、当日2月14日(日)には獅子舞が各店舗を回り商売繁盛を祈るイベントはぜひ見ておきたいところ。タイミングを合わせて訪れればもっと春節の雰囲気を楽しむことができるだろう。
神戸南京町では、2月13日(土)に春節前夜祭が開催され、春節当日2月14日(日)から一週間の間、春節祭が行われる予定となっている。春節当日の2月14日(日)には、京劇の衣装に身を包み、本格的なメイクを施して神戸の街を練り歩く"中国史人游行(中国歴史人物パレード)"が開催される。皇帝、皇后、三国志の武将に絶世の美女たちなど、長い歴史を描いた絵巻物から飛び出してきたような華やかな行列は必見だ。
長崎新地中華街では春節の時期、毎年恒例となっているランタンフェスティバルが2月14日(日)~2月28日(日)までの期間に行われる。街中に美しいランタンが立ち並ぶ幻想的な光景は、今や長崎名物のひとつともなっている。どこを歩いても見事なランタンが飾られている様子は圧巻の一言だが、そのほかにも、清朝時代の皇帝・皇后が、街中で民衆と共に春節を祝う様子をイメージして創作された「皇帝パレード」や、中国で行われていた五穀豊穣を祈る神事を再現し、約20メートルの龍体を操る「龍踊り」など、見どころは尽きない。
これら3つの中華街に共通するのは、古くから栄えてきた港町にあり、異なる文化を受け入れて発展してきたという点だ。新年を迎え、街全体が賑やかに沸き立つ春節の中華街を訪れ、ひとときの異国情緒を楽しんでみてはいかがだろうか。
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