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旅・レジャー

2009.05.14

紺碧の海 本州で一番早い南紀白浜の夏(和歌山県)

白砂と戯れるひととき 夏の思い出を呼び起こす南紀白浜へ

青空と真っ白な砂浜。毎年5月、和歌山県・南紀白浜(白良浜:しららはま)では本州で一番早い海水浴場開きが行われる。夏を一足先に体感できるこの時期には、誰もが笑顔を見せ、その様子はまるで太陽の光がさんさんと地上に降り注ぐかのように目に眩しい。
にぎわう白浜の「一足早い夏」。砂浜を歩くと、私たちが子供のころに味わったような、夏の日の思い出が、潮の香りとともに呼び覚まされる。

白砂と戯れるひととき 夏の思い出を呼び起こす南紀白浜へ

もちろん、その美しい景色だけでなく、白浜ではこれから夏の思い出になるようなイベントも数多く開かれている。例えば、名前の通り、さらさらと手触りのいい白砂が続く白浜。海岸でこの砂を使ったモニュメントをつくりあげる体験型芸術コンクール「砂まつり大会」は、夏の白浜の人気行事だ。青い海を背景に、驚くような完成度の砂のオブジェがずらりと並ぶ。そのまま触れば、するすると手からこぼれてしまう砂でも、海水でまとめて、積んでは固めて、次第に大きな像が出来ていくのは、見ているだけでもわくわくする光景だ。幸い、大会当日に参加できる枠もある。ひととき無心に砂と戯れてみるのも、きっと忘れられない思い出になるだろう。

透き通る海のすぐそばにそびえる真っ白な砂のオブジェは、偉大な自然と人間との美しきコラボレーション。ときにハッとするほどの感動を胸の内に届けてくれるものもある。また、夏も盛りの7月には華やかな花火大会も行われ、私たちの目を楽しませてくれるのである。

海の記憶が積もる貝寺・大信山本覚寺(ほんかくじ)

浜辺の美しい光景とは対比するように、荒々しささえ感じる自然の岸壁も、白浜の魅力のひとつである。古くは熊野水軍が拠点にしていたと言われる「三段壁洞窟」や、巨大な岩盤が広がる「千畳敷」、丸い海蝕洞を中央に持つ「円月島」...太平洋に三方を囲まれ、その海の力で生まれたさまざまな名勝は、「海」という巨大な自然の力を肌で感じさせる。
人の営みと対比するように、何百年という長い時間をかけて自然が作り出した景色。初夏の爽やかな日差しの中、ただ打ち寄せる波の音にじっと聞き入る。そんな時間もまた、心地よいものだろう。

古来より続く大自然の姿と、現代にも引き継がれる人々の営み。どちらも私たちの心を惹きつけてやまないものだが、ここにもうひとつ、静かにこの地に歴史を紡ぎつづける場所がある。それが、古くから海辺の寺として近隣の漁民に親しまれてきた「本覚寺」、通称「貝寺」だ。

海の記憶が積もる貝寺・大信山本覚寺(ほんかくじ)

その昔、付近の漁民からの寄進でさまざまな貝殻が集まったことから「貝寺」と呼ばれるようになった本覚寺は、江戸時代からの長きに渡り、代々の住職が、学術的にも貴重な貝の品種を管理・保存しているのだという。
その数はおよそ1000種以上、約3万点もあり、参観者は展示されているさまざまな大きさ・色・形の珍しいコレクションを見ることができる。なかでも、寺の名前がついた『ホンカクジヒガイ』は、織機の杼のような形をした乳白色の可憐な貝で、世界的にも珍しい一品。訪れる機会があれば、ぜひとも見ておきたい寺の宝物だ。

長い時間をかけて、母なる大地と海が重なりあってできた壮大な景観と、その地を愛し大事にしてきた人々が集めた美しい貝。人と自然は、いつでも繋がりあいながら時を経て、歴史を作っていく。自然の神秘と人々が紡いできた遥かな時間に思いを馳せ、情緒にあふれる旅を楽しんでみてほしい。

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