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旅・レジャー

2009.01.08

海と山に守られた香川 瀬戸内海を望む旅

785段の石段を登って参拝する、金刀比羅宮

金刀比羅宮

「こんぴら船々 追風に帆かけて シュラシュシュシュ まわれば 四国は 讃州那珂の郡 象頭山 金毘羅大権現 一度まわれば......」この軽やかなフレーズに聞き覚えがある人は、少なくないはずだ。
「讃岐のこんぴらさん」の名で親しまれている、香川県仲多度郡の金刀比羅宮(ことひらぐう)。民謡「正調金毘羅船々」としても親しまれている金刀比羅宮の起こりは、象頭山にて日本神話に登場する神「大物主神」を祀ったことに由来する。
そもそも象頭山は、古くから瀬戸内海を航行する、幾多の船の目印とされてきた。遠く海の彼方から、波間に見えてくる象頭山は、さながら灯台のような役割であっただろう。
その象頭山と合わせて祀られた大物主神もまた、漁業や航海などの海上の安全を守る神としても信仰されるようになったのだ。

海と山、この二つの自然に関わる金刀比羅宮への参詣は、古来、庶民にとって伊勢神宮へのお伊勢参りと並ぶ夢とされてきた。賑やかなりし当時の面影は、今にもきちんと残っている。
石段 表参道へ入るとすぐ目に入る石段は、丸みを帯び、長い時間人々の足を支えてきたことが伺われる。その段数は本宮まで数えるとなんと785段、約1時間をかけて登るのだ。長い行程だが、進む途中には多くの見どころがある。それらに目を奪われながら進むと、とても1時間では済まない道になるだろう。だが、それもまた一興。息を切らしながら、さまざまな感動を見つけて進もう。

金刀比羅宮の書院や宝物館は建物自体が重要文化財として指定されている。道の途中には小林一茶の句碑もあり、昔から、時代を問わず旅人が同じものを見て感動してきたのだと思うと、見上げる景色もより一層味わい深く感じられる。舞い散る葉を見上げながら、ゆっくりと進む。
さて、そろそろ足が辛くなってきたら、5軒だけ並ぶレトロな雰囲気の飴屋、「五人百姓」で一休みしていこう。この店々は、その昔に特別に宮域内での商いを許されたという、正真正銘の伝統店だ。ゆっくりと腰を休めたら、あとひと息。道のりの広範、「御前四段坂」と呼ばれる急な石段を登りきると、いよいよ海抜251m地点の本宮に到着する。
お参りを済ませたら、足を本宮の北東側にある展望台へと向けよう。そこに広がるのは、途方もない絶景だ。
讃岐平野 遥か向こうに広がる、豊かな讃岐平野。見渡せば、これまでの労力など吹き飛んでしまうほどに気分は格別。金刀比羅宮への参詣が人気を集めた理由も、実感できるだろう。

本宮でじっくり達成感を味わい、一休みしてから下山の途につくのもいいが、体力に自信があるなら、更なる高みを目指して挑戦してみるのもおすすめだ。本宮から更に583段のぼると奥社があり、天気の良い日には瀬戸大橋も望むことができる。海を見渡す山の神に近づく道、辿ってみてはいかがだろうか。

香川の誇る郷土食、讃岐うどんを食べ歩く

金刀比羅宮参りにて785の石段を往復。その後には、ゆったり体を休めるための時間も確保しておこう。
讃岐うどん 香川名物と言えば、そう、「うどん」。象頭山の麓にはうどんの店が軒を連ねており、店に一歩足を踏み入れてみるのが良策だろう。讃岐うどんは、「讃岐のこんぴらさん」に次ぐ香川の誇り。この地に訪れたなら、うどんを食べずして帰れずといったところか。
店に近づき、うどんを茹でる際のふんわりと温かな湯気を感じ入れば、石段の上り下りで気づかぬうちに空腹になっていたことを思い起こすかもしれない。つるりと喉ごしの良い麺を想像して食欲を刺激されたら、ここはひとつ、素直に店に飛び込んでみるべし。きっとこれまで知らなかった新たなる体験が待ち受けているだろう。

さて、香川のうどん事情だが、そもそもここまで普及したのは、小麦や塩、醤油といった食材がこの地で容易に入手できたことが理由だと言われている。うどんの消費量が全国1位というのも、このこととは無縁でないのだろう。それだけ多く食べられているからか、讃岐うどんの食べ方はさまざまで、かけ、ざる、ぶっかけといった定番のものから、生醤油、釜揚げ、湯だめ、釜玉、しっぽく(季節の野菜を、汁とともに煮込む)など、とにかくバリエーションが豊富。麺に合わせトッピングなどを選べるセルフスタンド式の店も多く、早い、美味い、安い、という人気店が多い。ここは香川、うどんの本場。腹の都合が許すならば、何軒かはしごしてみてもいいだろう。
あまりに地元に根付いているからこそ、中には、店先に看板が無かったり、まるで民家や倉庫のように見えるような店もあるが、一度その味を体験してしまえば、そのすべてが魅力的に思えてくるから不思議だ。香川に旅したときにぜひ押さえておきたいご当地グルメとして、讃岐うどんのことを心の手帳に刻んでみてほしい。

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