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旅・レジャー

2008.08.21

初秋の風を求めて 小京都を巡る

"京"の栄華が生んだ全国の「小京都」

北は青森県・弘前、南は鹿児島県・知覧まで、全国に「小京都」と呼ばれる都市は50市町。「小京都」とは、京都と歴史的に深い関係性を持ち、さらに京都と似た自然や景観、伝統的な産業や芸能を兼ね備えた街だ。その起源は、一説には室町時代以降、各地方の大名が地元の街づくりに京都らしい景観や雅な京文化を取り入れたことが始まりだとされている。
一千年以上もの歴史を持つ京都の文化に独自の文化を重ね合わせ、単なる真似ではない"その街ならではの情緒・魅力"を生み出すことに成功した、発展的な地方都市。長い年月が、全国各地に生まれたこの街々を魅力的に育ててきたのだ。
季節は夏の暑さが徐々に過ぎ去る初秋。現在と過去を結ぶ雅な文化の残る小京都へ、旅に出かけてみよう。

加賀百万石の職人文化 金沢

小京都と呼ばれる都市のなかでも、ひときわ知名度、人気の高い街と言えば、石川県の「金沢」だろう。江戸時代には「加賀百万石」といわれるほどに栄えた城下町、金沢。その古い街並みを眺めて歩くだけでも、タイムスリップしたかのような、往時の情緒をたっぷり味わうことができる。ふらりと散策すれば、窓から漏れ聞こえる三味線の音、軒を並べる料亭や芸妓置屋...藩政期の面影を残す「ひがし茶屋街」「にし茶屋街」では、茶道の文化や、ともに発展した繊細な和菓子、色彩あでやかな加賀友禅、熟練技術を必要とする加賀蒔絵や金箔の生産、鮮やかな色絵の九谷焼などに触れられる。金沢の武家文化や伝統工芸が京都の公家文化とどう交わっていったのか、街を巡るほどに興味は沸きあがる。

維新の面影を今に残す城下町 萩

山口県の萩市は、三方を山に、一方を日本海に囲まれた堅牢な街。京都の印象的な碁盤目の区画整理をもとに作られた江戸時代からの道が今も残る。足を伸ばせば目に入る萩城跡や武家屋敷、町家のいくつかは、往時の面影そのままに今も街並みに残る、貴重な歴史的景観だ。小京都としての伝統工芸などももちろん見どころのひとつだが、萩の魅力はなんといってもその人材にある。明治維新胎動の地と呼ばれ、近代日本の夜明けを告げた多くの賢人――吉田松陰をはじめ、木戸孝允(別名:桂小五郎)、高杉晋作、伊藤博文など――を輩出した土地柄だからこそ、その生家や活躍した舞台が残る街並みを江戸時代の古地図を持って探索すれば、ここに確かな歴史があったこと、そしてその積み重ねを肌で感じられるだろう。

徐々に色づき始める景色を探して、小京都の街を歩いてみよう。そこには、気持ちのいい初秋の涼しい風とともに、深く息づく歴史があなたを待っている。

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