趣味・教養

2010.05.17
人間の暗黒面を赤裸々に描くストーリーに、鬼才ボブ・フォッシーによる演出と振付で、ダーク・ミュージカルの金字塔といわれる『CHICAGO』。75年に初演以来、96年からはリバイバル版がブロードウェイで上演され、97年度トニー賞6部門、98年度オリヴィエ賞2部門受賞など、またしてもヒットを記録。02年にはキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、レニー・ゼルウィガー、リチャード・ギアの出演で映画化もされ、アカデミー賞6冠を受賞するなど、今も世界中で愛されている名作ミュージカルだ。
舞台は「黄金の20年代」と呼ばれる一方、禁酒法によってギャングが街を支配するシカゴ。スターを夢見ているロキシー・ハート(米倉)は、プロデューサーを紹介すると嘘をついた不倫相手を衝動的に殺してしまう。投獄された留置所では、元花形スターで今は世間の同情を買って話題を集めているヴェルマ・ケリー(フェイ・ライト)に出会う。実際に情報操作をしているのが悪徳弁護士のビリー・フリン(河村)と知ったロキシーは、彼に取り入って自分こそが"悲恋の女性"とマスコミに打って出るが...。

セクシーかつアイロニーに溢れたセリフ回しと、黒を基調とした肉体美を誇示する衣装で展開する『CHICAGO』は、長らく「日本人キャストでの上演は無理」と言われてきた。2年前にそのジンクスを見事に覆したのが主演のロキシーを演じる米倉涼子と、弁護士のビリーに扮する河村隆一だ。本作の大ファンを自認する米倉の爽快感すら抱かせるキュートな悪女ぶりと、これがミュージカル初挑戦ながらそのベルベット・ボイスでビリーを演じきった河村。2年前に高い評価を得た2人が今回も続投決定! さらにロキシーと対峙するヴェルマにブロードウェイからアムラ=フェイ・ライトを迎え、最強の日本バージョンをお届けする。
前回に引き続き、演出はフォッシーの愛弟子アン・ラインキングとブロードウェイで活躍中のウォルター・ボビーが担当。腕や腰をゆるやかに動かすコケティッシュな《フォッシー・ダンス》が、ジャズと絶妙に絡み合って濃密な舞台空間を繰り広げる。"人生なんでもあり"を歌い上げる「オール・ザット・ジャズ」、女囚たちが投獄された理由を勝手に言い訳するさまが痛快な「セル・ブロック・タンゴ」など名曲も満載。意外なラストシーンにうなった後は爽快感に足取りも軽くなること間違いなしの、大人のためのエンターテイメントだ。
| 日程・会場 | 6月4日(金)~6日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール(兵庫県) 6月9日(水)~7月4日(日) 赤坂ACTシアター(東京都) |
| 作曲 | ジョン・カンダー |
| 作詞 | フレッド・エッブ |
| 劇作・脚本 | フレッド・エッブ&ボブ・フォッシー |
| 演出 | ウォルター・ボビー |
| 振付 | アン・ラインキング |
| 出演 | 米倉涼子/アムラ=フェイ・ライト/河村隆一/他 |