趣味・教養

2008.10.15

花組、月組、雪組、星組、宙組と、それぞれに特色をもつ宝塚歌劇団5組の中でも、若さあふれるキラキラ感を楽しみたいなら宙組だ。宙組公演『Paradise Prince』は、現代のロサンジェルスを舞台に、アニメーターを目指す若者と画家を夢見る女の子が繰り広げるラブ・ストーリー。宙組トップスターの大和悠河(やまと ゆうが)と娘役トップの陽月華(ひづき はな)は、どちらも八頭身の美形。シンプルなストーリーもあいまって、肩の力を抜いて楽しみたい向きにはぴったりの一作だ。
モダンアート界の寵児スチュアート(大和)は、子どもの頃から描き続けてきた「Paradise Prince」をオリジナルアニメにしたいという夢が忘れられず、ニューヨークからロサンジェルスに向かう。身分を伏せて入社したアニメ制作会社では、3DやCGの部署から時代遅れと揶揄される「2Dチーム」に潜り込むスチュアート。下積み生活ながらも希望を胸に仕事をこなす毎日だったが、ある日、アルバイトに来ていた画家志望のキャサリン(陽月)と出会う。互いの夢を語りながら惹かれ合う二人。だがモダンアート界に彼を引き戻そうとする有名プロデューサー、アンソニー(蘭寿とむ)の罠にキャサリンが陥ってしまい...。
とはいえ、舞台はカラフルな衣装とセットで明るく展開。悪役のアンソニーもどこかコミカルで、最後はもちろんハッピーエンドが待っている。若者たちの夢と挫折をしっかりと描きつつ、いま流行りのマカロンのような、タカラヅカならではの甘くラブリーな世界が堪能できる。
併演は、グランド・レビュー『ダンシング・フォー・ユー』。"レビュー"とは、ダンスや歌などで進行するショーに、タカラヅカならではの香りを絡めたもの。トップコンビの大和に陽月、二番手男役の蘭寿以下、迫力あるダンスやコーラスが華やかに展開する。キラキラとスパンコールがきらめく幕開きから、アラブ風の衣装での総踊り、黒タキシードでのジャズのシーン、そして最後には黒い燕尾服を着た男役の大階段でのダンスと、目まぐるしく繰り広げられるステージに息つく暇もないほどだ。特に宙組は、5組の中でも175センチ前後の長身の男役が多く、ビシッと揃ってのダンスは圧巻。トップスターの大和以下、キャスト陣が比較的若いこともあり、はじけるような笑顔に思わず引き込まれてしまう。宝塚初心者にもピッタリの二本立てといえるだろう。
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