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趣味・教養

切手~小さな四角の世界~

2012.02.08

世界初!レーザーで切り抜いた切手 リヒテンシュタイン発行「年賀4面シート」

「切手の国」から届いた新作

「小さな芸術品」とも称され、愛好家を魅了してやまない郵便切手。そのわずか数十ミリ四方の紙の上に、古今東西で高度な技術が詰め込まれてきました。そしてこのたび、数々の芸術的切手を発行し、「切手の国」として名高いリヒテンシュタイン公国から、まさにそんな最高峰の技が光る1枚が発行されました。今回は、驚くべき緻密な技術を体感できる、世界初のレーザー加工による切手をご紹介します。

精密産業でも有名なリヒテンシュタイン

バチカン市国、モナコ公国、サンマリノ共和国に次いで、欧州で4番目に小さな国であり、南北25キロ、東西6キロの国土が日本の小豆島とほぼ同じ面積を持つ国、リヒテンシュタイン公国。スイスとオーストリアに国境を接する、山あいの静かな国ですが、昔から高度な印刷技術を駆使した美しい切手を発行することで有名です。それだけでなく、薄膜コーティング装置、細密入れ歯を中心とした歯科材料、プロ用電動工具製造などで名だたる企業もあり、世界各国の企業を相手に、オンリーワンビジネスを展開している "精密産業の国" でもあるのです。

切手印刷技術でお国の産業レベルが分かる

こうしたハイテク技術に支えられているリヒテンシュタインの美しい切手の数々は、その細密さと芸術的な価値で常にコレクター垂涎の的になっています。「切手を見ると発行国の技術力が分かる」ともいわれるように、高度な技術を用いた切手を発行することは、偽造防止につながるだけでなく、発行国の技術・工業といった産業レベルの高さを誇示することにもなり、まさに世界を股にかける小さな広告ともいえるのです。

最新技術で中国伝統工芸の技を再現

そして今回は世界最初の技術、レーザーによって完璧に加工された切手がリヒテンシュタインから発行されました。テーマは「年賀・辰年」。見た目はまるで中国の切手のようですが、それもそのはず。はさみひとつで縁起物の文字や柄などを切り抜いていく中国の伝統工芸「剪紙(せんし)」風の図案がモチーフになっています。この細かい柄のひとつひとつは描かれたものではなく、レーザーを照射して緻密に紙を切り抜いているのです。お手元でご覧になれば、その細かさと正確さに、きっと驚かれることでしょう。

現代のものづくりに欠かせないレーザー技術とは

現代ではさまざまなものづくりに使われているレーザー加工技術。原理は、極めて小さな面積にレーザー光を集めてエネルギー密度を集中し、ピンポイントで材料を加熱、溶融もしくは蒸発させるというもの。この技術を利用すれば鉄および非鉄、セラミック、プラスチック、木材、布、紙、複合材などほとんどの種類の材料で切断、穿孔(せんこう)、溶接、表面処理といった微細加工が可能となるそうです。

「ハイテクの国リヒテンシュタイン」の面目躍如

冒頭で「世界初」とご紹介しましたが、実はレーザー技術を採用した切手はこれが最初ではありません。2010年8月にオーストリアとイスラエル共同で発行された「サイモン・ヴィーゼンタール記念切手」で、デザインの一部処理と、切手を切り離す「目打(めうち)」をあけるためにレーザーが使われています。ユダヤ人迫害の歴史を風化させないために生涯を捧げたヴィーゼンタール氏の功績をたたえた切手でしたが、部分的に焦げ跡が残るなど、レーザー加工としては完璧とはいえないものでした。

世界初の完璧なるレーザー加工の切手が発行されたのは、それからたった15ヶ月後のこと。つまり、今回ご紹介するリヒテンシュタインの切手です。切手デザインそのもの、しかも穿孔においてここまで完璧に成功した事例はこれまでどの国にもなく、まさに画期的。あらためてリヒテンシュタインの技術力の高さに、感服せざるを得ません。

ご覧のとおり微細デザインのため、使用時に裏紙をはがすシール式切手となっています。幸運のシンボル「龍」をモチーフとし、アートとしても価値あるリヒテンシュタインの年賀切手。台紙ごと額装して壁飾りなどにされると、訪れるお客様の目をひきそうです。

年賀4面シート年賀4面シート
※各画像をクリックすると拡大できます。
  • 切手名称:年賀4面シート
  • 発行国:リヒテンシュタイン公国
  • 発行日:2011年11月14日発行

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