趣味・教養

2011.12.14
フランス国鉄が運行する高速鉄道TGV。1981年9月27日に、初の営業路線としてパリとリヨンを結ぶLGV南東線を開業。開業時の最高速度、時速260kmは、当時世界最速であった日本の新幹線の記録を世界で初めて塗り替えたことでも話題となりました。今回は、いまやフランス国内だけでなくヨーロッパの鉄道シーンに欠かせないTGVの開業30周年を記念して発行された、美しい切手をご紹介しましょう。
ヨーロッパの高速鉄道における、輝かしい歴史の一端を担うTGV。「Train à Grande Vitesse」の略で、Train(列車)、Grande(大きい)、Vitesse(速度)つまり、「超高速列車」を意味するワードの頭文字となっています。日本の新幹線の世界最速記録を塗り替え、さらに次々と記録を更新しながら、2007年からは最高時速320kmで営業運転を開始するなど、現時点で世界最速を誇っています。それだけでなく、2007年4月の試験運転では時速574.8kmというとんでもない速さをたたき出しています。ジャンボジェットの離陸時速度は時速300km前後ということですから、その技術がいかに素晴らしいものであるかご理解いただけるでしょう。
利便性に加え高い安全性を兼ね備え、しかも快適な車内環境で人気の高いTGVは、いまではフランス国内の主要都市だけでなく、チューリッヒ、ブリュッセル、ルクセンブルクといった隣接国の主要都市、さらにはフランス国内の小さな駅まで含めると、なんと200あまりの駅に停車するそう。各都市を短時間で結んでいるとはいえ、カフェやバーでのひとときをこよなく愛するフランスの列車らしく、朝食や軽食、デザート、各種飲み物、新聞や雑誌など幅広く販売するバー車両もちゃんと備わっています。
客車は1等席と2等席に分かれ、そのどちらにもヘッドレストやフットレスト付きのゆったりとしたリクライニングシートが用意されているのも魅力。もちろん1等席には、読書灯やコンセントといったワンランク上の設備に始まり、一部路線では降車駅でのタクシー予約サービスにも対応。座席への食事提供も行われているとか。特に、体の不自由な乗客へのきめ細やかな配慮には定評があり、主要ルートには車いす専用リフトと車いす用スペースを完備。各駅にも車いす用設備やバリアフリー設備を整えるなど、快適な旅をサポートしているのです。こうした実績や営業努力に支えられ、開業以来なんと約170億人もの人々が利用した計算になるそうです。
ちなみに、日本の新幹線では点検車両として有名な「ドクターイエロー」のように、パリからリヨンを結ぶ南東線でもお客を乗せない黄色い車体のTGVを見かけることがあります。これはなにをするための車両かご存じですか? 実は「La Poste」、郵便専用TGVなのです。つまり、郵便列車ジャンルでもフランスは世界最速を樹立しているというわけです。
切手デザインに採用されたのは、TGV初のダブルデッカー「Duplex」。大きな車体ながら、営業運転時の最高速度は他のTGVと同じく時速320kmを出せるそうです。明るくすがすがしい風景の中、疾走する車両を見ているだけでも、旅情が掻き立てられます。ヨーロッパでTGVへの乗車経験がある方は、楽しい思い出に花を添える一枚として、この機会にお手元へ置かれてはいかがでしょうか。もちろんフランスファン、鉄道ファンのご家族、ご友人へのちょっとしたプレゼントにも、喜ばれることうけあいです。
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