趣味・教養

2011.07.13
1995年のマリリン・モンロー以来、毎年1回アメリカが発行する「ハリウッドの伝説シリーズ」。これまでにジェームズ・ディーン、ハンフリー・ボガート、オードリー・ヘップバーン、ジョン・ウェインなど、映画界の大スターたちを題材に発行を続け、人気を博しています。そして今年、第17次のデザインに選ばれたのがグレゴリー・ペック。ご本人の性格そのままに、端正で知的な表情が魅力の切手シートをご覧ください。
「アメリカで最も尊敬される俳優」として、いつも名前を挙げられるのが、グレゴリー・ペック(1916~2003年)です。グレゴリー・ペックは『ローマの休日』『白昼の決闘』『仔鹿物語』『紳士協定』『白鯨』ほか多くの名作に出演し、アメリカのみならず世界中にファンを獲得。もちろん日本においても、彼の出演した作品はいつでも大ヒットし、ハリウッドの全盛期を彩りました。知的でハンサム、かつ紳士的な風貌とともに、役柄そのままの誠実で正義感あふれる彼のキャラクターは、今も多くの人々に愛されています。
カリフォリニア州サンディエゴ出身のペックは、6歳のときに両親が離婚。薬剤師だった父の意向で、カリフォルニア大学バークレー校に進学し、当初は医者を志していたといいます。しかし3年次になると演劇にも興味を覚え、卒業後ニューヨークに移ったのちに奨学金を獲得。名門俳優学校のネイバーフッド・プレイハウスで、演技を学びました。
1944年に映画デビューした当時は、兵役で男優が不足していた社会情勢から、学生時代の事故で脊髄に異常があり兵役免除だったペックのもとに、多くの仕事が舞い込んできました。1962年には、『アラバマ物語』で、念願のアカデミー主演男優賞を受賞。また、チャールトン・ヘストンとともに出演し、東西の大スター対決と世間を沸かせた『大いなる西部』や、もはや伝説の作品ともいえる『ローマの休日』で新聞記者役など、歴史に残る多くの名作に出演を果たしています。
アカデミー協会、ハリウッド俳優組合、アメリカ癌協会、フィルム・インスティチュートなどで理事や会長を歴任し、俳優の地位向上はじめ数々の功績を残すとともに、一時期、政治活動にも没頭。かのオーソン・ウェルズに「本気で大統領を目指さないか」とすすめられたことは有名な話。プライベートでは1,000冊以上もの蔵書を持ち、リンカーン研究者として数多くの功績を遺したグレゴリー・ペック。映画スターとして垣間見せる知的な表情は、こうした彼の性質から自然ににじみ出るものだったのでしょうか。
切手の図案は、第35回アカデミー主演男優賞を受賞した『アラバマ物語』(1962年公開)から。人種的偏見が残るアメリカ南部を舞台に、白人女性への暴行容疑で逮捕された、黒人青年の事件をめぐる法廷ドラマで、弁護士アティカス・フィンチを演じたグレゴリー・ペックの肖像です。そして、この切手を20枚収めるシート(20面シート)地は、アカデミー賞主演男優賞授賞時(1963年)のグレゴリー・ペックとオスカー像になっています。
切手は台紙からはがして使用する、シールタイプ(セルフ糊方式)を採用。図案に「Forever (永遠)」とあるのは、将来郵便料金が値上がりしても、これを1枚貼れば永久に追加料金なしで郵便を出せるという、アメリカ郵政公社独特の「Forever Stamp」というシステムにおいて発売された切手であることを示しています。
切手と同じく、「Forever」な魅力に満ちあふれたグレゴリー・ペックを、ぜひコレクションの一つに加えていただき、いつまでもお手元でお楽しみくださいね。
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