趣味・教養

2009.05.13
近年、危急の問題として語られる「地球温暖化」。その影響は、南極や北極といった極地ではより深刻で、気温の上昇により氷の減少が加速度的に早まり、生態系にも大きな影響を与えています。私たちの生活にも関係する極地を守りたい。その意思から全世界の郵政が立ち上がった「極地保護切手」を、今回はご紹介します。
前世紀から、すでに地球規模の問題として警鐘が鳴らされてきた地球温暖化。約100年前、南極点に初めて到達した探検家アムンセンに始まり、これまで多くの探検家・研究家たちを虜にしてきた北極や南極などの「極地」では、その影響が最も顕著だと言われています。
極地では他地域に比べて約3倍のスピードで気温が上がると予測されており、一帯の温度上昇は、周辺に生息する動物たちの生態系にも危機をもたらします。温暖化が進むことで2050年までに北極圏に生息するホッキョクグマの約3分の2以上は死滅、また南極でも年間平均気温が2℃上昇すると、ペンギン生息地の4分の3もが消滅するとさえ言われています。
もちろんこれは、けっして動物たちの話だけではありません。太陽光を反射し地球の冷却に役立っていた極地の氷が次第に消え、拡大した海水面が熱を吸収することで、ますます氷が融け温暖化が進むという悪循環により、私たち人間の未来も危ぶまれているのです。
こういった危機的状況の中、極地保護への関心が世界中で高まってきました。
その活動の一環として、2007年3月から2008年9月の2年間を「第4回国際極年」と定め、極地に関する観測や研究、啓蒙活動が展開されました。また各国の郵政でも、これまでに国際極年の記念切手を独自に発行してきましたが、2007年のフィンランド・チリ大統領会談をきっかけに、「南極・北極および氷河の保護」を共通テーマに持つ、「極地保護切手」が発行されることになりました。
フィンランド・チリ両国が提唱国となり、日本を含む世界40以上の国と地域の郵政から賛同を得たこの画期的な切手は、今年2009年に発行されます。
「極地保護切手」は原則的に小型シートの形態で発行され、ホッキョクグマ、ペンギンなどの生息動物や極地の風景、温暖化を象徴する図案など、メッセージ性の高いデザインが採用されています。また、これらの切手には、切手の印面または小型シート上に「アイスクリスタル(氷晶)」のシンボルマークを入れているものが多く見られます。
それぞれの国で趣向を凝らしたデザインで、大きな注目を集める「極地保護切手」。極地、そして地球の環境を保護しようというメッセージを携え、国を越えて行き来する「最も小さな大使」を、今だからこそお手元に置かれてはいかがでしょうか。
発行国:フィンランド
発売日:2009年3月18日
切手図案:図案化した地球と、極地の氷河・流氷などを描いたシートに、円形の変形切手2種を収める。
発行国:チリ
発売日:未定
切手図案:地球と極地を図案化し、氷河溶解のイメージを描く。
発行国:チェコ
発売日:2009年2月11日
切手図案:流氷の上で寄り添うペンギンたちを描く。シート地には、海上に浮かぶ船のほか、南極の氷河が融解する様子が描かれている。
サイズ:ヨコ152×タテ108ミリ
発行国:アンドラ
発売日:2009年3月27日
切手図案:コウテイペンギンと極地の風景を、凹版調の美しいイラストで描く。シート地には氷河の様子が描かれている。
発行国:オーランド
発売日:2009年1月22日
切手図案:「極地保護」とともに、オーランドの風力発電100年記念を兼ねて発行される。稲光とともに描かれている風車部分には、エンボス加工が施されている。
発行国:ベルギー
発売日:2009年3月9日
切手図案:南極の象徴ペンギンと、北極の象徴ホッキョクグマを描く。シート地は、ベルギーの探検家アラン・ヒューバートとディキシー・ダンセクール。
発行国:フェロー諸島
発売日:2009年2月23日
切手図案:地球温暖化(グローバル・ウォーミング)という観点から、極地保護への働きかけを訴えるデザイン。シート地にホッキョクグマのシルエット。
発行国:グリーンランド
発売日:2009年1月19日
切手図案:人物と動物のシルエットで描いた極地保護のシンボルマークのアイスクリスタル。
発行国:ハンガリー
発売日:2009年3月27日
切手図案:切手には融ける氷のイメージとホッキョクグマを描く。シート地には北極に生きるベルーガやニシツノメドリなどの動物たちと、崩れゆく氷河を描く。
発行国:ニュージーランド
発売日:2009年3月4日
切手図案:7000年もの歳月をかけて堆積し、温暖な降雨林へと流れ込んでいる、珍しいニュージーランドのフランツ・ジョセフ氷河を描く。
発行国:ルーマニア
発売日:2009年3月21日
切手図案:氷に浮かぶ目から涙が落ち、南極大陸に結露した水滴がしたたる様子などから、象徴的に極地の氷河が溶解する様子を表現した切手2種を収める。
発行国:スロベニア
発行日:2009年3月27日
切手図案:切手は、ホッキョクグマやシャチなどの北極圏に生きる動物を描く。シート地には動物とともに、気候変動の要因(工場、飛行機など)をシルエットで配す。
発行国:日本
発行日:2009年6月30日(予定)
切手図案:切手はホッキョクグマ、ホッキョクギツネ 、ウェッデルアザラシ、アデリーペンギンの4種。シート地は極圏の象徴オーロラを描く。ホログラム切手。