趣味・教養

2012.01.25
日本では、1989年から「ふるさと切手」が発行されています。「ふるさと切手」は、日本の各地方、都道府県の風物や行事をテーマにした切手で、美しい景色やおいしそうな食べ物、見るからに楽しそうなお祭りなど、眺めているだけで小さな旅気分が味わえる図案が特徴。今回は、そんな「ふるさと切手」の中から、季節感たっぷりな「雪景色」をテーマにしたものをご紹介しましょう。
日ごろなにげなく使っている切手には、大きく分けて4種類あることをご存じでしょうか。郵便局で1番よく見かける、販売期間が限られていない「普通切手」。そして販売期間限定で、凝ったデザインで作られる「記念切手」「特殊切手」「ふるさと切手」です。「記念切手」は国内の公的イベントにちなみ発行されるもの、「特殊切手」は国の歴史、世界遺産などのテーマに沿って発行されるものです。そして、地方色豊かな景観やイベントなどをテーマにデザインされるのが「ふるさと切手」です。「ふるさと切手」は地元に密着した切手だからこそ、デザインも地方色豊かなものが多く、ほとんどの場合が地元にゆかりのある画家やイラストレーター、ときには学校の美術教師などが手がけているそうです。
そんな「ふるさと切手」が初めて発売されたのは、1989(昭和64)年4月。当時はまだ「ふるさと切手」という名称ではなく、「地方切手」と呼ばれていました。しかし、国際的に見ると「地方切手」とは、発行された地方のみ使用できる切手、という意味に取られることも少なくありません。日本のふるさと切手は、地方限定発行というだけで国内どこでも使えます。こうしたこともあって、切手収集家の組織、公益財団法人日本郵趣協会が提案した、「ふるさと切手」という親しみある呼び名が浸透し、1990年4月からはこれが正式名称となりました。
やがて人気が高まり、他の地域の「ふるさと切手」を手軽に購入したいというコレクターも増加。そのため、現在では原則として全国各地の郵便局で、新しく発売されるすべての「ふるさと切手」を、窓口に在庫がある限り買うことができるようになったのです。
さまざまな "お国自慢" がデザインされた「ふるさと切手」。特に北国では、雪景色にまつわるデザインもよく取り上げられています。まずご紹介するのは、岩手の陸中海岸国立公園をテーマにした1枚です。陸中海岸は、岩手県北部から宮城県北部まで、南北180キロメートルにわたる長大な海岸公園。「海のアルプス」といわれるほど荒々しく切り立った断崖の風景が見る者を圧倒します。こうした特殊な地形は、生き物すべてを拒絶しているかのようにも見えますが、実は、ウミネコやオオミズナギドリなどの野生鳥類の繁殖に適しており、場所によっては彼らを間近に観察することも可能です。
切手にデザインされているのは、公園内の景勝地である北山崎。ここは、陸中海岸国立公園の北方、岩手県下閉伊郡田野畑村北山にある断崖絶壁の地。強風や濃霧が海上に発生しやすく、まるで雲のような濃霧が海面を覆い幻想的な風景を見せることもあります。その景観美は、財団法人日本交通公社による「全国観光資源評価」で、最高ランク特A級の評価を受けているほどなのです。
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「現代雪まつり」発祥の地として知られる、「十日町(とおかまち)雪まつり」。その歴史は古く、今から60年以上前の1950(昭和25)年2月4日に初めて開催されました。冬の厳しさも美しさも知り尽くした地元住民の、雪に打ち勝とうという強い気持ちが生んだこのお祭り。背景には、戦中に製造禁止になっていた絹織物製品の生産が終戦とともに再開され、まず生産者を元気にしたい願いがあったといいます。
第1回から雪の芸術展や、雪具供養の火の周りで十日町小唄を踊る雪中カーニバル、そしてスキー駅伝大会など盛りだくさんの催しを企画。これらをお手本に、今各地で開催されるような雪まつりがさかんになっていったのです。
「十日町雪まつり」の魅力は、なんといっても市民手づくりイベントの温かみ。市民がつくった「雪の芸術作品」や、心のこもったおもてなしが人気の「おまつりひろば」、切手デザインにもなっている雪像ステージ上で繰り広げられる音と光のスペクタクル「雪上カーニバル」などがあります。
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日本猿の群れが、気持ち良さそうに雪降り積もる露天温泉に入る様子を、テレビや雑誌でご覧になったことがあるのではないでしょうか。世界で唯一「入浴」習慣のあるこの特別な猿たちは、長野県北部の上信越高原国立公園の志賀高原を源とする横湯川の渓谷、地獄谷野猿公苑に生息しています。標高850メートル、1年で約3分の1もの期間が雪に覆われる厳しい環境にあるこの地には、古くから日本猿の群れが暮らしてきました。1964年に地獄谷野猿公苑として整備、開苑以来、日本猿の興味深い生態を間近で観察できる場所として、観光客だけでなく研究者や写真家といった専門家たちも訪れ、成果をあげています。
元々野生だった猿たちが温泉に入るようになったのは、野猿公苑が開苑したことがきっかけ。時間を決めてエサをもらえるようになると、エサを待つ間ののんびりしたひととき、偶然、子猿が公苑そばの後楽館にある露天風呂に入ったことにはじまります。子猿の気持ち良さそうな様子に、次第にほかの猿たちも入浴を覚え、それからは代々入浴行動が受け継がれているということです。切手にも、温かい温泉に肩まで浸かりながらくつろぐ猿たちの楽しげな様子がデザインされています。
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秋田県仙北市の角館町(かくのだてまち)は、仙北平野の北部に位置する城下町です。玉川と桧木内川(ひのきないがわ)という2つの川に挟まれる形で市街地がひらけ、周囲を山々に囲まれたこの町は、歴史ある武家屋敷と桜並木が美しい「みちのくの小京都」です。江戸時代には仙北郡の政治経済の中心地としてにぎわっていましたが、1871年の廃藩置県以降、地域の大きな役所はほとんど大曲(おおまがり)に置かれたことで、一時期衰退してしまいます。
しかし、明治近代化の影響を受けなかったことが逆に幸いし、残された武家屋敷地区一帯6.9ヘクタールが、1976年に「重要伝統的建造物群保存地区」として選定。それをきっかけに多くの観光客が訪れるようになりました。1997年の秋田新幹線開業後、観光客はさらに増加。今では年間200万人を超える、国内有数の観光地に成長しています。
およそ390年も続く街並みの構成は、「火除(ひよけ)」と呼ばれる広場を中心に、北側は武家屋敷が建ち並ぶ「内町(うちまち)」に、南側は町人や商人が住む「外町(とまち)」に区分されています。「外町」は商人の町、「内町」は、築200年近い屋敷が建ち並び黒板塀に垂れ下がるしだれ桜の景観が、風情たっぷりです。
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