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趣味・教養

切手~小さな四角の世界~

2011.08.24

切手で楽しく昆虫観察「昆虫シリーズ切手」

夏は昆虫の活動が活発になる季節。子ども時代、夏休みには昆虫たちの生態を観察したご経験をお持ちの方も多いのではないのでしょうか。切手のデザインでも、昆虫たちは人気者です。1986年から1987年にかけて、第1集から第5集まで、1集あたり4種の昆虫切手を発行、合計20種の切手が発行されました。今回はこの中から6種類の昆虫切手をご紹介いたしましょう。

生物種で世界一多いのが昆虫の仲間

昆虫は、「節足動物門」の中の「昆虫綱」に属する生物の総称です。こう聞くと難しく感じるかもしれませんが、節足動物とは、動物の分類としてはもっとも大きなもので、クモやサソリ、エビやカニ、ムカデなど、外骨格(硬い殻)と関節を持つ生物全般を指しています。全動物種の実に85%以上が節足動物。陸にも空にも、地中にも海中にも多数生息しているのです。

では、節足動物全体と昆虫との相違点は何かといえば、一番の違いは羽を持つこと。その他、一般的な特徴として、足が6本あり、羽の数が4枚。さらに胴体が頭、胸、腹の3つに分かれているということです。例外的には、紙魚(シミ)やハタラキアリなど羽のない種、蚊やハエなど見た目の羽が2枚しかない種もいます。

昆虫は節足動物の中でもっとも細分化した生き物であり、その種類は昆虫綱全体で80万種以上が認められています。その種の多さたるや、地球上の生物種として知られるもので最大数が昆虫とさえいわれ、未記載種を含めると100万種を越えるほどなのです。

日本固有種のルリボシカミキリとムカシトンボ

世界中に分布し、その土地の風土や環境に適した生態を持つ昆虫たちは、日本にも固有種が多く存在します。こうした貴重な昆虫がデザインされる切手で、今回まずご紹介するのは、1986年7月発行の第1集より2種です。

「日本を代表する甲虫」と呼ばれ、世界の昆虫ファンの間で特に広く知られているのが、北海道から九州の山地まで広く分布する「ルリボシカミキリ」。体長はわずか20ミリから30ミリですが、ルリ(瑠璃)の名前が示すとおり、鮮やかなブルーが特徴的です。ブナ、ナラ、クルミ、シラカバ、カエデなど広葉樹の雑木林に主に生息。倒木や枯れ木を好むので、市街地に出没するシロスジカミキリのように、生木を食害することはありません。それだけに豊かな自然環境が減りつつある今、その個体数の減少が憂慮される種でもあります。

さて、日本固有のトンボの中には「生きた化石」といわれ、トンボの系統で知られる均翅亜目と不均翅亜目の両方の特徴を持つ、原始的なトンボがいます。その名も「ムカシトンボ」。やはり北海道から九州まで、全国の山間部にある渓流域に生息しています。体長は約50ミリで、幼虫の期間は5年から7年ともいわれるほど長く、このムカシトンボも自然環境の悪化した現代においては、貴重な種になりつつあるのです。

昆虫1集 ルリボシカミキリ、ムカシトンボ 2種連刷
  • 切手名称:昆虫1集 ルリボシカミキリ、ムカシトンボ 2種連刷
  • 商品番号:121086
  • 発行日:1986年7月30日
  • 図案:左から、ルリボシカミキリ、ムカシトンボ
購入はスタマガネットへ
※画像をクリックすると拡大できます。

子どもたちに大人気!ミヤマクワガタとオニヤンマ

続いてご紹介するのは、1987年1月発行の第4集より。子どもたちに大人気のクワガタの仲間で、ノコギリクワガタと並んで、もっともクワガタらしい風貌を持つ「ミヤマクワガタ」です。雄の体長は平均40ミリから65ミリと大きめ。山地の落葉広葉樹林に生息しています。ノコギリクワガタより深い山、つまり「深山(みやま)」に生息することからこの名がついたといわれ、以前、山奥で70ミリ以上の巨大な個体が発見された例もあります。現在では、環境調査のために選ばれた10種の昆虫のひとつで、その生息地は良好な自然環境を持つことを示す「指標昆虫」になっています。

みなさまは日本最大のトンボの名をご存じでしょうか。そう、北は北海道から南は八重山諸島まで、全国どの地域でも見られる「オニヤンマ」です。頭部から腹部の先端までで10センチほどにも達します。雌は雄よりひと回り大きく、成虫は初夏から初秋にかけて湿地や渓流、小川のそばに現われます。雄は、繁殖期の雌に似た動きとして回転するものに反応するため、オニヤンマの目の前で指をぐるぐるまわして捕獲する方法はよく知られるところ。ハエやアブ、ハチなど不快害虫を捕食する益虫であることからも、彼らの生息する自然を永く大切にしたいですね。

昆虫4集 ミヤマクワガタ、オニヤンマ 2種連刷
  • 切手名称:昆虫4集 ミヤマクワガタ、オニヤンマ 2種連刷
  • 商品番号:121096
  • 発行日:1987年1月23日
  • 図案:左から、ミヤマクワガタ、オニヤンマ
購入はスタマガネットへ
※画像をクリックすると拡大できます。

珍しい生態を持つヤンバルテナガコガネとアサギマダラ

さて、日本最大のトンボについてお話した後は、日本最大の甲虫のご紹介です。それは「ヤンバルテナガコガネ」。沖縄本島北部の山原(やんばる)、いわゆる山間部にのみ生息している、大変珍しい甲虫です。ヤンバルテナガコガネが初めて発見されたのは1983年と比較的最近のことで、翌年、国立科学博物館の元動物研究部長である黒沢良彦博士によって新種の記載がなされました。体長は50ミリから60ミリで、雄の前足は長く伸びているのが特徴的です。

最後にご覧いただくのは、美しい羽色と長距離を渡ることで有名な蝶、「アサギマダラ」です。主に本州以南、一部は北海道までの国内各地に生息し、羽の開帳は80ミリから110ミリ。アサギマダラのアサギは漢字で書くと「浅葱」になり、日本の伝統色である淡い青緑色を指します。春から夏にかけて標高1,000メートルから2,000メートルの高原で繁殖し、秋になると南へと移動を開始。九州や沖縄、さらに八重山諸島や台湾まで、海を渡り1,000キロ以上の大移動をするのです。

見た目に美しく、そしてどこかミステリアスな魅力を持つ昆虫たちの生態。昆虫の仲間たちは、かつて人の暮らしのすぐそばに多く生息していました。しかし、年々その数を減らしつつあります。「指標昆虫」に指定されたミヤマクワガタの例ではありませんが、昆虫の住みやすい環境は人間にとっても安心できる環境にほかなりません。この夏休みに、よりよい地球環境についてご家族で語り合うヒントとしても、ぜひこれら昆虫切手をお役立てください。

昆虫4集 ヤンバルテナガコガネ、アサギマダラ 2種連刷
  • 切手名称:昆虫4集 ヤンバルテナガコガネ、アサギマダラ 2種連刷
  • 商品番号:121098
  • 発行日:1987年1月23日
  • 図案:左から、ヤンバルテナガコガネ、アサギマダラ
購入はスタマガネットへ
※画像をクリックすると拡大できます。

※「連刷」とは2種類以上の切手を、となり同士つながった状態で印刷した状態のもの。

協力:株式会社郵趣サービス社

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