趣味・教養

2010.09.22
江戸時代、町人文化華やかなりし文化・文政に活躍した代表的な浮世絵師といえば、「葛飾北斎」。90年の長きにわたるその生涯で3万点余もの作品を残し、国内の画家たちだけでなく、ゴッホなど西洋の芸術家にまで影響を与えた北斎は、今年生誕から250年を迎えました。これを記念して、今回は「北斎漫画」をテーマに制作したオリジナル・フレーム切手ほかを、一挙ご紹介いたします。
葛飾北斎が絵手本として発行したスケッチ画集、それが「北斎漫画」です。森羅万象あらゆるものが絵の題材。江戸時代のさまざまな風俗、人物、百面相、故事、建物、風景、草花、動物、魚介など、当時の暮らしを彩るあれこれが活き活きと描かれており、眼で見る江戸百科というべきものになっています。
「北斎漫画」は、北斎が55歳の時に初編が出て、90歳で亡くなった後も刊行され続けました。初編刊行より65年後に15編が出て完結を迎えた、時代を超えた超ロングセラーなのです。国内で好評を博しただけでなく、19世紀中頃ヨーロッパにも伝えられ、ゴッホほかフランス印象派の画家に多大な影響を与えたといわれています。
そして今年、葛飾北斎生誕250周年の節目に、日本切手未登場だった傑作「北斎漫画」をデザインに取り上げ、オリジナル・フレーム切手を制作しました。今回デザインに採用したのは、「北斎漫画」の中から人物を描いた絵を採用した50円3種、80円2種。では、その価値ある1枚1枚をごゆっくりご覧ください。
※各画像をクリックすると拡大できます。
「雀踊り」は雀踊りの振り付けを33の動作で描いたその1つを図案にしています。原図は「北斎漫画」3編に掲載されています。
「寝転ぶ女」は、肌もあらわに寝転がる女性を図案にしています。今年の日本と同じく江戸の夏もさぞ暑かったのでしょう。原図は「北斎漫画」12編に掲載されています。
「英気を養う」は、下級武士が休息のために食事の準備や行水を浴びたり、洗濯をしている様子を描いている絵の中の一部です。「北斎漫画」9編の中にあるもので、水桶を運んでいる人物を図案にしています。
「にらめっこ」は江戸のひょうきん者たちを描いています。あの手この手で笑いを取ろうと、奇抜な百面相。現代にも通じる笑いの世界が、イキイキと表現されていますね。こちらは、「北斎漫画」10編に掲載されています。
そして、「蕎麦」。「北斎漫画」初編には、江戸時代の庶民の生活風俗を描いている絵が沢山あり、これはそのうちのひとつ。おいしそうに蕎麦をたぐる男の絵を図案にしています。
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※今回ご紹介した「北斎生誕250年記念 オリジナル・フレーム切手」は、郵便局では販売しておりません。
外国における北斎の評価は、日本国内以上といえるかもしれません。特に、切手の題材として北斎の絵は人気が高く、これまで多くの国から切手が発行されました。その中にも、「北斎漫画」がデザインされた切手が存在します。
「北斎没後150年」となった1999年には、世界各国で北斎の絵を題材にした切手が発行されました。その中のひとつ、ミクロネシアから発行された6種シート×2種です。Aのシート左上の「お岩さん」は、唯一「百物語」からの出典です。それ以外の11種の切手はいずれも「北斎漫画」にある絵をデザインに採用。切手だけでなく、シートの色使いも北斎らしく、コレクター心をそそる仕上がりになっています。
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タンザニアから発行された6種シートでは、中段の2枚が「北斎漫画」にある魚介類のスケッチ画です。立体感のある写実的な魚介の画は、いわゆる「北斎」のイメージを超越したアートな世界をかもし出しています。
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