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趣味・教養

切手~小さな四角の世界~

2010.02.24

切手でめぐる美術館探訪「エルミタージュ美術館」(ロシア・サンクトペテルブルグ)

今に残る、絵画の名作をテーマに世界中で発行された切手たち。その美麗なデザインは、切手ファンにはもちろん、美術ファンの方にもおすすめです。
今回はその中から、旧ソ連時代の1970年代から1980年代にかけて発行された、「エルミタージュ美術館」の絵画切手をご紹介しましょう。美しい構図や彩色をそのままに、切手の中へと再現された名作たち。みなさまも現地を訪問する気分で、素晴らしい世界に酔いしれてみてはいかがでしょうか。

ロシア皇帝が集めた門外不出のコレクション

エルミタージュ美術館は、サンクトペテルブルグ・ネヴァ川河畔に建つ、ロシア最大の国立美術館。ここは、エリザベータ女帝以来、歴代ロシア皇帝の宮殿であった冬宮と、これに増築された小エルミタージュ、旧エルミタージュ、新エルミタージュ、エルミタージュ劇場という5つの建物で構成されています。その建物と周囲の風景の美しさから、エルミタージュ美術館のあるサンクトペテルブルグ歴史地区は、1990年に世界遺産(サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群)に、登録されました。

同美術館の起源は、ロシア帝国をヨーロッパの大国へと成長させた皇帝、エカテリーナ2世が1775年に建てた自身専用の美術品展示室です。その後の歴代皇帝の美術コレクションが加わり、宮廷管轄下の美術館として形が整っていきました。1860年代には一部の市民も観覧が可能となり、ロシア革命後は国有の施設となって、1920年からは一般に公開されるようになったのです。

この「エルミタージュ美術館」の絵画を切手にしたのが、旧ソ連時代の1970年代から1980年代にかけて発行されたシリーズです。今回ご紹介する切手のほかにも数十種類の切手があり、並べてみると、まるで美術館の中を巡り歩いているような雰囲気が楽しめます。

1982年発行「エルミタージュ美術館の収蔵品」5種

※各画像をクリックすると拡大できます。

ドメニコ・フェッティ作「俳優の肖像」ドメニコ・フェッティ作「俳優の肖像」
ドメニコ・フェッティ(1589年~1623年)はローマの画家。34年という短い生涯を駆け抜けた彼は、カラヴァッジオやルーベンスなどの影響を受けた、バロック絵画の大家です。ルーヴル美術館所蔵の「メランコリー」を遺したことでも知られています。

ペルジーノ作「聖セバスチャンの殉教」ペルジーノ作「聖セバスチャンの殉教」
ペルジーノ(1450年頃~1523年)は、ルネサンス期のイタリアを代表する画家です。名前の「ペルジーノ」とは「ペルージャ人」という意味で、当時の画家は出身地や親の職業などがそのまま名前になっていたそう。システィーナ礼拝堂の壁画装飾を担当したことでも知られ、その優美で上品な画風から、いつの時代も人々の心を惹きつけています。

コレッジオ作「淑女の肖像」コレッジオ作「淑女の肖像」
コレッジオ(1489年頃~1534年)は北イタリアのコレッジオ村出身ということで、その名がつきました。その後パルマに出て、パルマの聖堂や礼拝堂にフレスコ画を描いたそうです。柔らかい輪郭で上品さをかもし出す人物像には定評があり、切手デザインからも、その優美さをうかがうことができます。

カプリオーロ作「若者の肖像」カプリオーロ作「若者の肖像」
イタリア・ルネサンス期、ベネツィア共和国を活動の中心に「ベネツィア派」と呼ばれる画家たちが活躍していました。この画を描いた、ドメニコ・カプリオーロもその一人です。色鮮やかな衣装を身にまとった青年は、思わず見とれてしまうほどの美しさ。画の端には「1512年、ドミニクス、25歳」と、モデルの名前が記されています。

ティツィアーノ作「ダナエ」ティツィアーノ作「ダナエ」
ティツィアーノ(1490年頃~1576年)は、同じくルネサンス期におけるイタリアの画家です。温かみのある色調とリアリズムあふれる人物表現は、後世の画家たちにも多大な影響を及ぼしたといわれています。ティツィアーノは「ダナエ」を何度も描き、エルミタージュ美術館所蔵作品のほかにも、スペイン・プラド美術館やイタリア・カポディモンテ国立美術館に、同名の作品が所蔵されています。

  • 切手名称:1982年発行「エルミタージュ美術館の収蔵品」5種
  • 商品番号:552001
  • 発行国:ソ連
  • 発行日:1982年11月25日
  • 図案:ドメニコ・フェッティ作「俳優の肖像」(4K)
    ペルジーノ作「聖セバスチャンの殉教」(10K)
    コレッジオ作「淑女の肖像」(45K)
    カプリオーロ作「若者の肖像」(50K)
    ティツィアーノ作「ダナエ」(20K)
購入はスタマガネットへ

1987年発行「エルミタージュ美術館の収蔵品」5種

※各画像をクリックすると拡大できます。

ルーカス・クラーナハ作「淑女の肖像」ルーカス・クラーナハ作「淑女の肖像」
ルーカス・クラーナハ(1472年~1553年)は、ドイツの画家です。同名の息子も画家であり、そのためルーカス・クラーナハ《父》として区別されることもあります。彼が住んでいたヴィッテンベルク領主、ザクセン選帝侯フリードリヒ3世のもとで宗教画を描く一方、貴族の肖像画や、親交のあったマルティン・ルターの肖像も遺しています。

ティツィアーノ作「聖セバスチャンの殉教」ティツィアーノ作「聖セバスチャンの殉教」
その昔、画家たちは宗教上の出来事をモチーフとして、同じ作品名で絵を描くことも多かったそうです。ティツィアーノ作「聖セバスチャンの殉教」は、ペルジーノのそれとは違い、写実的で悲壮感ただよう表現がなされています。

デューラー作「ジャスティス」デューラー作「ジャスティス」
アルブレヒト・デューラー(1471年~1528年)は、ドイツ・ルネサンス期の画家で数学者でした。金銀細工師の父は、彼を後継者に願っていましたが、幼い頃から画家になるという意志は固く、13歳のときには、素晴らしいタッチの鉛筆素描「自画像」を描いたといわれています。細密なボタニカルアート(植物画)、銅版画や木版画でも有名です。

ルーベンス作「セレスの彫像」ルーベンス作「セレスの彫像」
ピーテル・パウル・ルーベンス(1577年~1640年)は、バロック期にフランドルで活躍した画家、そして外交官。ギリシャ彫刻やベネツィア派などの影響を受けて、独自の作風を生み出しました。イタリアの宮廷画家として活躍したのち、故郷のフランドルへ戻り売れっ子画家となったルーベンスは、工房に多くの弟子を抱えて、大量に舞い込む画の制作をこなしていたそうです。

ピーテル・ブリューゲル《子》作「東方三博士の礼拝」ピーテル・ブリューゲル《子》作「東方三博士の礼拝」
ピーテル・ブリューゲル《子》(1564年または1565年~1636年)は、フランドルの画家。父親も高名な画家で同名であることから《子》と区別されています。この「東方三博士の礼拝」は、故郷の風景の中に、聖書の東方三博士の礼拝の場面が描かれる斬新な表現法となっており、当時のフランドル地方の風俗を知る上でも、貴重な作品です。

  • 切手名称:1987年発行「エルミタージュ美術館の収蔵品」5種
  • 商品番号:552002
  • 発行国:ソ連
  • 発行日:1987年6月5日
  • 図案:ルーカス・クラーナハ作「淑女の肖像」(4K)
    ティツィアーノ作「聖セバスチャンの殉教」(5K)
    デューラー作「ジャスティス」(10K)
    ルーベンス作「セレスの彫像」(50K)
    ピーテル・ブリューゲル《子》作「東方三博士の礼拝」(30K)
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これまでご紹介した作品をはじめとしたエルミタージュ美術館の所蔵品は、合計でなんと300万点を超えており、世界最大級の規模を誇っています。メルチ作「若い女性の肖像」のデザインされた切手の上部に冠されているような「государственный Эрмитаж(国立エルミタージュ美術館)」の文字は、その作品が第1級芸術品であるという証です。みなさまもこの機会に、ぜひエルミタージュ美術館切手で、「本物の美」をご堪能ください。

1982年発行「エルミタージュ美術館の収蔵品」小型シート
※画像をクリックすると拡大できます
  • 切手名称:1982年発行「エルミタージュ美術館の収蔵品」小型シート
  • 商品番号:552003
  • 発行国:ソ連
  • 発行日:1982年11月25日
  • 図案:メルチ作「若い女性の肖像」
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