趣味・教養

2009.12.24
干支の話をするとき、「来年は寅だよ!」という言い方をします。しかし干支とはもともと、60周期の暦"十干十二支(じっかんじゅうにし)"に由来し、正しい表現をすれば、2010年は庚寅(かのえとら)となるそうです。そこで今回は、干支発祥の地、中国の年賀切手を取り上げ、お正月にまつわるエピソードをご紹介しましょう。
中国から発行された年賀切手の歴史は意外に新しく、1980年が最初の発行となっています。この年、干支の発祥地である中国から年賀切手が発行されたとあって、人気が沸騰しました。世界中から注文が殺到し、切手商の在庫が後々まで不足するという事態が発生したそうです。
中国年賀切手は、その話題性だけにとどまらず、グラビアと凹版を組み合わせるなどの凝った印刷や、デザインの良さも評判になりました。当時ドイツで開催された「世界切手コンテスト」で見事第2位に選ばれたことからも、注目の高さがうかがえます。
ところで1980年の切手図案を見ると、小さく「庚申年」と干支が記されています。
「申」とはご存じのように「サル」のことですが、「庚」とはいったいなんなのでしょう。その秘密は、中国、春秋戦国時代に確立した「陰陽五行説」にあります。陰陽五行説は、自然界が木・火・土・金・水という5つの元素から成り立つとされ、これら5つの元素を、さらに陽性・陰性で、「兄(え)・弟(と)」の2つに分けているのです。これに文字をあてたものが、十干(じっかん)です。
「木」であれば「甲、乙(きのえ、きのと)」、「火」は「丙、丁(ひのえ、ひのと)」、「土」では「戊、己(つちのえ、つちのと)」、「金」は「庚、辛(かのえ、かのと)」、「水」は「壬、癸(みずのえ、みずのと)」と読みます。
そして、この「庚申(こうしん)」は、日本でも意外にポピュラーな言葉だということをご存じでしょうか?今も日本各地に残る「庚申塚(こうしんづか)」の表面には、恐ろしげな青面金剛(せいめんこんごう)と三猿(見ざる言わざる聞かざる)の姿が彫られていることが多くあります。
古い言い伝えでは、60日ごとにやってくる「庚申」の夜に、人間(主人)の身体の中にいる三尸(さんし)という虫が、主人の就寝中に悪事を天帝に告げに行くとのことです。そこで、虫が身体から出ないよう、皆で集まって一晩中寝ずに騒ぐと、虫は体内で死んでしまうといわれているのです。庚申塚は、こうした三尸の供養に建てられたもので、三猿は三尸を、青面金剛は天帝を象徴しています。
このように、案外私たちの身近なところに生きている「十干十二支」ですが、日本では、平成16年度より発行され、翌年の干支文字を様々な書体で表した特殊切手「干支文字切手」へ登場するのみとなっています。日中両国の干支に対する馴染みの違いには、興味深いものがありますね。
ところで皆さんは、ご自分の生まれた年の干支をご存じでしょうか。十二支は当たり前でも、十干まで知っている、という方は少ないものです。ここでは、生まれた年の干支を簡単に算出する方法をお教えしましょう。
計算方法としては、西暦の誕生年を10で割り、余りの数を下の早見表に照らし合わせます。たとえば、1970年生まれの方は、割り算の余りが「0」で、十干は「庚」ということになりますね。また、十二支は12で割った余りを、以下の早見表と照らし合わせてみてください。1970年生まれの場合は、余りが「2」。すなわち、干支は「庚戌(かのえいぬ)」というわけです。

お正月に、ご家族ご親類の集まる賑やかな場の話題として、カラフルな中国年賀切手たちを愛でてみてはいかがでしょうか。合わせてご自身の本来の「干支」について小ネタを披露してみれば、きっと話も盛り上がるでしょう。
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