趣味・教養

2009.08.17
シカゴの歴史は長い。60年代末期に颯爽と登場してブラス・ロックの代名詞となり、80年代はバラード~AOR路線で大成功を収めている。様々な苦難を乗り越え、まさに大御所としての地位を確立してきた。

とはいえそんな彼らにも創作上の葛藤があった。外部のソングライターを起用したバラード路線が、メンバーにとっては予定調和となってしまい、バンド結成時のチャレンジャー・スピリットに満ちたスタンスを取り戻そうとしたのである。そんな想いを込めて制作された『ストーン・オブ・シシファス』というアルバムは、元々は1993年にリリースされるはずだった。しかしAOR路線のパブリック・イメージを覆すことを嫌ったレコード会社の意向により、このアルバムはお蔵入りとなり、バンドとレコード会社との関係も悪化。バンドは自由な環境を求めてレコード会社を移籍している。
その因縁のアルバムがリリースされたのは、なんとそれから15年後の2008年。アルバム・デビュー40周年という記念すべき年を目前にしたタイミングで、彼らは本来自分たちが目指していた方向へと改めて舵を切ったのである。彼らは昨年の4月にも来日しているが、前回はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとのジョイント形式だった。しかし今回は単独公演で、しかも前回の来日後に発表した因縁のアルバムを携えてのステージ。さらに40周年というタイミングとなることもあって、格別の気合いが入ったライブとなることは間違いない。クリエイティブなロック・グループとしてのプライドに満ちたパフォーマンスで魅了してくれるだろう。
なお今回の来日公演に先駈けて、ウェブ上に設けられた特設サイトでは、ステージで聴きたい曲の人気投票も受け付けている。記念すべきタイミングならではの華々しい来日公演に、選曲の段階から参加できるというのも、コアなファンにとっては嬉しい企画といえるだろう。