趣味・教養

2008.11.18

60年代から現在にいたるまでのロックの歴史において、エレキ・ギターとギタリストの果たして来た役割は、あまりにも大きい。エレキ・ギターの弾き方に革新をもたらしたギタリストは、ロックという音楽のスタイルの更新にも深い影響を及ぼしてきた。そうした天才肌のギタリストには、ジミ・ヘンドリックスのように夭折したケースも多い。しかしジェフ・ベックは、そうした変化の激しいロック・シーンにおいて、なんと40年以上ものキャリアを通じて、天才としての輝きを放ち続けてきた希有なアーティストだ。
イギリスのロック・クラシックスの括りで、彼と同時代に登場してきたギタリストとしては、60年代に彼自身も在籍したヤードバーズ出身のジミー・ペイジとエリック・クラプトンを、まとめて三大ギタリストと呼ぶことが多い。この三人のうちジミー・ペイジは、レッド・ツェッペリンに代表されるバンド・サウンドのアンサンブルを得意とし、エリック・クラプトンは、ボーカリストとしてもキャリアを積み、円熟したアダルトなキャラクターとして人気を獲得してきた。そうした中でジェフ・ベックには、初期からの一匹狼のようなイメージが、一貫してつきまとっている。
それは精悍(せいかん)なルックスに加え、基本的な彼の演奏のスタイルが、テクニックとセンスが直結したインスピレーションを重視したものであることにも一因があるだろう。作風もフュージョン、テクノなど、ロックをベースとしながら、新たな領域に次々とアプローチしてきた。つまり彼は、長いキャリアを持ちながらも、守りに回ることの無いチャレンジャー資質で一貫してきたのである。
近年は2005年に単独で、2006年には"ウドー・ミュージック・フェスティバル"で来日しており、今回の来日公演は、来年2月に予定されている。現在の最新作は、ライブ・アルバム『ライヴ・ベック'06』だが、すでにニュー・アルバムを制作中という情報も伝えられているので、日本のステージでは、孤高の天才ギタリストの新たな境地で魅せる最新のナンバーの披露も期待したいところだ。
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