食・グルメ

2009.08.10
ラーメン。それは日本では中華料理として認識されています。しかし、その本場中国では、中国のラーメンより日本のラーメンが人気で、中国から日本へ観光にきた人などは、「日本食」としてラーメン専門店の味を楽しむそうです。
では、なぜ本場中国の人にとって「日本のラーメン」は人気なのでしょうか?
その秘密は、まず第一に、日本のラーメンはスープの味を中心に発展しているということ。中国では、ラーメンは「具や麺を食べるためもの」として認識されていたため、スープの味にはあまりこだわっていません。つまり、日本の「スープと麺が共に主役」というラーメンは非常に珍しい存在なのです。
日本のラーメンスープには、中国のラーメンスープにはないコクや旨みといった深い味わいがあります。この点が、中国の人を惹きつけているのでしょう。
ところで、同じラーメンでも、中国と日本ではその食べ方にも微妙な違いがあります。それは、「音をたてるか、たてないか」というポイント。
中国では欧米同様、"食事を食べるときに音をたてるのは下品"という文化があるため、ラーメンを食べる際もズルズルと音をたてて食べることはないのです。「所変われば、マナー変わる」というよい例ですね。
中国だけではなく、韓国でもラーメンは人気のメニューです。ただし、韓国の食堂や韓国料理のファーストフード店などで注文できる「ラミョン」は、ほぼ例外なくインスタントラーメンのこと。日本のような生麺を使う「ラーメン店」はほとんどありません。
最近では生麺を使用したラーメン店もソウルなどで徐々にオープンしているものの、韓国のラーメンといえば「ラミョン」。なぜ、生麺が普及しないのかは謎ですが、この「ラミョン」も、韓国らしくアレンジが加わり、発展しています。
地元韓国の人にもとても人気がある「ラミョン」は、基本的に煮込みラーメン風のものが多く、おやつ感覚で食べられるメニューです。韓国へ旅行した際は、「ラミョン」に挑戦してみてはいかがでしょうか。
味は一言で言うといわゆるインスタントラーメンですが、卵や刻みネギといった具が加えられていることが多く、また店によっては、トッピングとしてチーズやハム、キムチ、餅、野菜、さらには餃子などを入れられる場合もあります。
どの「ラミョン」も"辛さ"の強いものが多いので、日本で食べるインスタントラーメンとはまた違った味わい。ラミョン専門店なども増えており、ラーメンファンの心をくすぐる「深い」メニューに進化しています。
さて、最後は世界各国のラーメン事情の中から、一風変わったエピソードをひとつご紹介しましょう。そのエピソードとは、日本から遠く離れたメキシコでの話です。
メキシコでは、なんと日本のインスタントラーメン「マルちゃん」が絶大な人気を誇っているのです。その人気ぶりは、メキシコにおいて「マルちゃん」という言葉は、「簡単に作れる」「すぐにできる」という意味で通じるほど!
もはや国民食と言っていいほどの人気ぶりですが、メキシコでインスタントラーメンがこれほど浸透したのはどうしてなのでしょうか。
これもやはり、すぐに作れるという利点がまず挙げられます。加えて、価格が安く、そして保存の手間がかからないという点も重要なポイントだったようです。メキシコでは、インスタントラーメンは、そのままお湯をかけて食べるのではなく、スープを捨てて焼きそばのようにして食べることが多く、そこにメキシコならではのスパイシーな調味料を加えて食べたりするそうです。安くて作るのが簡単、アレンジが効いて美味しい。本来のインスタントラーメンとはまったく違う味になりますが、メキシコでのインスタントラーメンの流行も、ラーメンの利点をしっかり受け止めて起こっています。
そう考えると、世界に広がり、その土地の文化を交えて変化を遂げるラーメンの潮流は、文化伝達のひとつの形なのかもしれません。
国によって趣の違う"ラーメン"を食べ歩くため、世界へ足を伸ばしてみる―。そんな"ラーメン行脚"も、夢ではないようです。