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年金・保険・法律

原令子の年金コラム

2007.05.25

離婚と年金

最近、郵便局の年金相談会でも「離婚したときにどうなるの?」というご相談が増えてきました。全国の社会保険事務所では、10月から離婚時の年金分割についての情報提供を開始していますが、相談件数は昨年10月からの累積で4万3653件(4月末現在)。平成19年4月には、月間最高数の11957件。また、この中で実際に「年金分割のための情報提供」を受けたのは3116件で、そのうち女性からの請求は2625件(84%)となっています。

ところで、離婚時の年金分割については、多くの誤解があります。その誤解についてA子さんの例でお話しましょう。
A子さん58歳は、専業主婦。23歳で結婚、勤めた経験はありません。夫のB男さんは、大学卒業後38年間会社勤めの後定年退職。現在63歳で特別支給の老齢厚生年金を受給中です。B男さんの年金は、下図の通りです。

年金額、年間概算額

よくある誤解(1)離婚したら、夫の年金の半分がもらえる

「夫は、年間240万円年金をもらっています。離婚したら120万円が私のものね。」これって一番多い勘違いです。分割されるのは、報酬比例部分、老齢厚生年金の部分だけです。定額部分や老齢基礎年金、加給年金額(年金の家族手当にあたるもの)は、分割されません。
さらに、報酬比例部分が120万円あっても必ず60万円が分割されるわけではありません。その理由は2つ。ひとつは、分割されるのは、結婚生活の間の厚生年金だけが対象になります。120万円のうちには、B男さんがA子さんと結婚する前に積み立てた部分がありますね。これは、分割されません。
もうひとつは、分割の割合は、必ずしも1/2ではありません。平成19年4月から施行されている離婚時の年金分割では、最大1/2の範囲内で、夫婦の合意によって決めることになっています。

よくある誤解(2)分けてもらった年金は、離婚したらすぐに受け取れる

「私は、今58歳だけれど離婚したらすぐに私にも年金が出るのよね。」いえいえ、残念ながらそうではありません。A子さんが分割を受けた年金を受け取ることができるのは、A子さん自身が年金の受給を開始する65歳時点からとなります。
年金の分割を受けたとしても、あくまでも本来の自分の年金の受給開始年齢からしか分割部分は受給できません。
もしA子さんに1年以上の厚生年金の加入期間があれば、自身の年金の支給開始は60歳からとなりますので、分割を受けた部分も60歳から支給されます。

ワンポイント

とあるアンケートによると、退職後のやりたいことNO.1は旅行だそうですが、全国各地にあって旅先でも気軽に立ち寄れる郵便局で年金を受け取れるように準備しておくと大変便利です。

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社会保険労務士
原 令子

株式会社JEサポート代表取締役

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