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年金・保険

身近なお金の安心計画

2008.07.03

生命保険の基礎知識(9)将来も実は現在?

皆さん、こんにちは。まだ梅雨のはずですが、中休みが長かったり、気温が急激に上がったり下がったりで梅雨らしい梅雨の感じがしません。体調管理が大変なのではないでしょうか。

ところで、梅雨というものは、始まってから、気象庁が「どこどこ地方が梅雨入りしました」と発表し、終わりも、空模様や気圧配置だとかを気象庁がしばらく観察して、もうおわったみたいだねとなったら、「梅雨明け宣言」するという、天気「予報」とは逆の動きになっています。天気「みんなで納得して終わり」みたいな具合です。

それでも文句が出ないのは、梅雨前線がある時期日本列島のほとんどを覆うということは、日本で暮らす大人なら誰でも知っているからです。私たちは、たとえお花見のあるいは花粉症の最中でも、何ヶ月かすれば梅雨入りがあるということを当然のこととして、日頃の生活や予定の組み方に織り込んでいます。用意の良い主婦ならば、梅雨が来る前に押入の整理をして風をいれておくとか、底にちょっぴり残った古い梅酒を別な容器に移して、あたらしい梅酒のために瓶を洗っておくなど、しておきます。

「現在の行動が未来をつくる」とは、子どもに勉強の動機付けをしようとする時によく言われることです。しかし、逆もまた真なりで、未来が現在の行動を制約するのです。毎日努力したから現在のイチローがあるのと同時に、小学五年生の時点で大人になったらプロ野球選手になると決めていたから、毎日素振りをしたのです。

生命保険となんの関係もなさそうですが、実は、この考え方は、どんな生命保険が自分や家族にとって適切なのかを、考えていく手順に関係してきます。

これまで生命保険の種類について基本のいくつかをご紹介してきました。皆さんが次にお知りになりたいのは、ではなにが、私もしくは我が家にとって適切な保険なのかでしょう。
それを下記の順番で考えていきましょう。

考える前に準備が必要です。現状を理解するため、また未来を考えるため、鉛筆を用意して、ざっと下のような表を作って下さい。

もっと長い期間にわたる表でもけっこうです。左端の平成20年が我が家の現状ということになります。年齢を計算しやすくするために、名前の下に生年月日を入れておいてもいいですね。

書き込む内容は、まずは年齢と、お子さんの場合は学年です。満年齢と学齢とにはズレが生じますが、その年に何歳になる、でよいでしょう。数え年だった時代は元日にみな一斉に年を取るので、いろいろと便利だったのですが。

さて、これを書き込めば、いつごろ教育費がかかるか、一目で分かります。これが将来を既に内包している、現在のあなたの家庭です。

もちろん、人生でまとまったお金が必要なのは教育費に限りません。そこでこの表の下にさらに項目を付け足します。大金を準備しなければならない項目として、ファイナンシャルプランニングの世界では、住宅ローンと教育費と車の買い換えが3大イベントという扱いを受けています。

しかし当然のことですが、実家でご両親と同居していて、いずれはそのままその家を受け継ぐという人は住宅ローンとは無縁ですし、車を保有しない家庭は車の買い換えとも無縁です。こういう人は、住宅ローンの代わりに家の修繕・改築費などの必要時期を書き込んでみて下さい。車の代わりに、大島紬を買う時期や日舞の名取りのお免状をもらう時期を書き込んでみても結構です。

書けましたか? 今はまだ始めていなくても、将来始めたいこと、たとえばフラダンスを習いに行く、○ルリッツに英会話を習いに行くなどと書いてもよいのです。ただ、できれば、やってもやらなくても良いという選択の余地のあることと、やらざるを得ないこととは別グループにまとめておくとか、違う色で書くとか、しておいた方がいいですね。

余談ですが、1,200年ほど前に深草の少将という人がいまして、才色兼備の誉れも高い小野小町に懸想して、彼女の家に百日通うという誓いを立てました。小者を使わず、せっせと自分で通っては、手紙を彼女の家の小者に渡すわけです。少将は自分の身分も名も明かさず、和歌と書体と紙に薫きこめた香の芳りとか文を結びつける小枝なんかで小町の心をとらえるという、当時の貴族の男子なら当然の作法を守っていたわけです。ところが、満願の百日目に少将は風邪をひいて寝込んでしまい、友達の在原業平に、自分の代わりに彼女の家に行って歌を届けて欲しいと頼みました。ナイスガイの業平は気軽に引き受けて彼女の家に行きました。ところで、小町の方は、約束したとおり通ってくる律儀な男は誰だろうと、その夜初めて隙間から外を覗いてみました。そこにいたのは、プレイボーイで名高い在原業平。こりゃだめだ、と断りの手紙を小者に持たせました。業平はもちろん病床の少将にその手紙を届けました。手紙を読んで心底がっくりきた少将はそのまま病状が悪化、帰らぬ人となりました。

なにしろ1200年も経っていますから、ストーリーもいろいろバリエーションがあります(百夜通いはしつこい少将にうんざりした小町が出した無理難題だとか、99日目に大雪が降って少将が行き倒れたとか)が、筆者のお気に入りはこのパターンです。なんにも悪さをしてないのに(少なくともこの件では)、なんだか気の毒な状況を作り出しちゃった罪作りなモテモテ君は、筆者の頭の中では二千円札の図柄の色白ぷっくり君です。

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社会保険労務士
小野 路子

さいたま総合研究所人事研究会 所属

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